記事の内容
- ドイツ語を使って東京大学大学院に合格する方法
- 一年の勉強で合格可能か?
- 合格するための理想的なスケジュール
ドイツ語で大学院に合格するレベルとは?
文系の大学院入試の場合、語学の試験が課されることが多々あります。
そして多くの場合、その試験科目の中にドイツ語が選択肢として含まれているのです。
よって、ドイツ語を試験科目として選ぶ方も多くいらっしゃることでしょう。
ところが、大学院入試の過去問を見てみるとドイツ語の問題が意外と難しい。
しかもこれを辞書を使わずに解かなければいけないのです。
実際、私自身もドイツ語を学ぶ始めた当初に試験問題を見ましたが、「こんな難しい問題解けるのか……?」と絶句したのをよく覚えています。
ですが、そうは言っても試験本番までには読解することができなければ合格はあり得ません。
ではどのレベルまでドイツ語の学習を積み上げればいいのでしょうか。
もちろん年度によって振れ幅はありますが、ひとまずは中級ドイツ語のマスターと考えていいと思います。
なぜなら、私自身の実体験から言って、中級ドイツ語まで学習を進めることで、合格することができたからです。
よって、まず目指すべきレベルとは中級ドイツ語ということになるのです。
この記事の執筆者についてはコチラ
1年で大学院に合格は可能か
ではドイツ語を大学院に合格することができるレベルまで高めるにはどのくらいの期間が必要でしょうか?
結論から言えば、一年あれば十分合格することができるといえます。
もちろん、その人の学習状況ややる気、語学の得手/不得手などによって期間は変わります。
ですが、とんな人でも毎日語学に真摯に取り組むのであれば、初学者でも大学院に合格することは可能です。
というのも、大学院入試で見られるのは、大学院に入ってから「研究の下地」ができているかどうかです。
語学における下地とは海外文献を読むために必要な基礎力に他なりません。
ですから、大学院入試で問われる語学の基礎力を身につけることができれば、大学院に合格することができ、基礎力をつけるには一年もあれば十分可能というわけなのです。
ですが、闇雲に計画性もなく勉強をしていても、合格できるものではありません。
しっかりとやるべき時にやるべき勉強をすることで初めて合格することができる基礎力は身につくのです。
したがって、今回の記事では大学院入試に向けた、理想とすべきドイツ語学習計画をお伝えしようと思います。
※この記事では、東京大学大学院の冬の入試を想定しています。
一年の流れ
4月〜5月
最初の一、二ヶ月はドイツ語の基礎の基礎をしっかりと叩き込みましょう。
ドイツ語を学習する上で最も重要な基盤となるのが「文法」です。
したがって、まずは初級文法を一通り学習するようにしましょう。
ここでもっと重要な基礎である文法をどれだけしっかり身につけられるかが、今後の学習に大きく影響してきます。
まずは一冊参考者を決めて、その参考書を繰り返し学習するようにしましょう。
おすすめは、コチラの記事で紹介しています(【独語初心者】ここから入門!おすすめのドイツ語初級文法3冊【選び方解説】)。
そして、ドイツ語の初級単語学習も併行してできそうであれば行うようにしましょう。
もちろん、院試の語学以外の対策や大学の講義などあるため、そんなに時間が取れないという方もいることでしょう。
その場合は、参考書に出てきた単語を覚えていくようにしましょう。
POINT
・まずは初等文法を一通り終わらせよう。
・できたら単語の学習も進めよう。
・単語帳の学習が難しいなら、文法の参考書に出てくる単語を覚えよう。
6月〜7月
6、7月はドイツ語の初級単語を一冊仕上げましょう。
大学院入試において多くの場合、辞書の持ち込みが許されません。
ですから、単語をしっかりと覚えた上で入試に臨む必要があります。
まずはドイツ語学習のベースとなる頻出のドイツ語単語を覚えましょう。
おすすめの単語帳はコチラの記事()で紹介しております。
またせっかく学んだ文法事項も放置していてはどんどんと忘れてしまいます。
しっかりと記憶に定着させるためにドイツ語文法の問題集を解いてみましょう。
そして、イマイチ理解できていなかった箇所を炙り出し、苦手な文法事項を重点的に学習しましょう。
夏前までに初級文法をしっかりと定着させることが一年で大学院に合格するための重要課題となります。
おすすめの初級文法問題集はこちらの記事()でまとめいますので、よかったら参考にしてみてください。
POINT
・まずは頻度の高い初級単語を覚えよう。
・初級文法を提出させるために、初級文法の練習問題をやろう。
合わせて読みたい記事
8月〜9月
8月、9月は大学が夏休みに入る期間ですので、この時期に出来るだけ多くのことをやりましょう。
初級文法と単語の定着はもちろんのことですが、今自分がどのくらいのレベルにいるのかを測るために自分が志望する大学院の過去問を一年分解いてみましょう。
これによって合格するために自分が今現在不足している学習項目を知ることができます。
もちろん、自分が初級文法や単語で身についていないことも確認することができるのですが、まだ学習していないけれども、大学院試で要求される項目を確認することができます。
たとえば、大学院入試で「未来受動分詞」という文法事項が出たとします。
この未来受動分詞は初級文法ではあまり解説されていません。
レベルとしてはドイツ語中級文法にあたるため、おそらくこの段階では多くの人が初見の文法事項なのです。
ですが、実際に過去問を解いてみて出題されているということはその文法事項をマスターする必要があります。
このように、夏という早い時期に過去問を解くことで、自分が志望する大学院入試に必要なレベルを知ることができ、そのレベルを目標として院試に向けた学習を進めていくことができるようになるのです。
よって、過去問を解いた後は中級文法も学習していきましょう。
もちろん、中級文法を学習するかどうかは自分が受験する大学院によって必要かどうかが変わってきます。
もし自分の志望する大学院が中級文法まで必要だった場合は、時間のある夏休みを利用して学んでおくのが吉です。
中級文法を学ぶにあたっては、多くの参考書には初級文法で習った初球文法が載っており、中級文法をやりながら初級文法を復習することができます。
もちろん、中級文法が出題されない大学院を受験する人であっても、翌年から出題傾向が変わって、中級文法が出題されるようになる可能性もあります。
それに、大学院に入って研究を進めていく上で、中級文法は必要となってきますので学習して損はないと言えます。
時間との相談になりますが、中級文法は全受験生にとって必須の学習項目といえます。
POINT
・夏の時点で自分が志望している大学院の過去問を解いてみよう。過去問を解くことで、今後学習しなければならない項目を知ることができる。
・大学院入試で中級文法が必要な人は、夏休みを利用して学習しよう。
合わせて読みたい記事
-
【文系の院試対策】過去問の入手方法と活用方法を解説(その1)。過去問研究が大学院合格への近道です。【東大、早稲田、一橋合格実績あり】
この記事の内容 大学院入試の過去問の入手方法 過去問の活用方法 過去問は絶対に活用しよう 稀に過去問をいっさい解くことなく院試を受ける人がいます。 それで合格出来る人はいいです。 しかしながら、ほとん ...
続きを見る
-
【文系大学院入試対応】ドイツ語の基礎が終わった方へ。中級ドイツ語への入り口【独語学習者必携の3冊】
記事の内容 ドイツ語の初級が終わって中級ドイツ語に進もうと考えている方へ 中級以上のドイツ語に取り組む際におすすめの参考書を三冊紹介 大学院入試のレベルについても解説 初級はあるけれども中級は少ない ...
続きを見る
-
【文系大学院入試対応】ドイツ語中級文法でおすすめの参考書を紹介【独語独学】
記事の内容 文系大学院入試対応 ドイツ語中級文法でおすすめの参考書3冊 ドイツ語中級を学ぶにあたっての注意点 ドイツ語中級文法を学ぶにあたっての注意点 この記事を読もうと思っている方は、これからドイツ ...
続きを見る
10月〜11月
10月から11月はこれまで学んできたことを生かすために文章読解の訓練をしましょう。
多くの大学院入試では下線部訳が出題されます。
下線部訳は基本的に一文を訳す問題です。
しかし、その下線部を訳出するためには文章全体が理解できていないと正しく訳出することはできません。
よって、正確に文章を翻訳するためには文章読解の訓練は欠かすことができないのです。
とはいえ、文章の読解には必ず文法や単語と言った要素が必要不可欠であり、これらを疎かにしたまま読解の学習はできません。
文法、単語がある程度揃ったこの時期だからこそ読解の訓練をやる意味があるのです。
さて、ここで「ある程度」と言ったのには理由があります。
それは最後の基礎学習項目として「中級単語」を学習する必要があるからです。
大学院入試の場合、初級単語だけではどうしても足りない場合があります。
それに他の記事でも書きましたが、語学力とは単語力に直結します。
単語を一つでも多く知っていることは、大学院入試において読解するできない箇所をへらすことに繋がり、文章理解にもつながるのです。
POINT
・文法や単語がある程度固まったこの段階で、文章の読解(解釈)の学習に取り組むようにしよう。
・大学院入試において、初級単語だけでは足りないため中級単語も学習しておこう。
合わせて読みたい記事
12月〜1月
こうして、11月までに大学院入試で必要な道具(文法、単語、熟語、解釈)は揃いました。
あとは大学院入試の過去問を解いていくだけです。
まずは志望大学院の過去問を解きましょう。
そして解いたら自分で採点をしてみて、解けなかった問題や自分が理解しているか怪しい事柄をしっかり復習しましょう。
ここで重要なことは、自分の不得意な項目をなくすことであり、まだ学習できていない項目を埋めていく作業になります。
そして志望大学院の過去問で解くものがなくなったら、他の大学院の問題を解くようにしましょう。
志望大学とは違う大学院の入試問題を解くことで新しい発見があるかもしれません。
過去問の活用法についてはコチラ(【文系の院試対策】過去問の入手方法と活用方法を解説(その2)。過去問研究が大学院合格への近道です。【東大、早稲田、一橋合格実績あり】)で詳しく解説しています。
加えて、本番までは文法事項や単語などを繰り返し復習することで記憶に定着させましょう。
この時期はなにか新しいことに手を出すよりも、これまでやってきた学習を信じて一つでも抜けをなくすことが大事です。
POINT
・大学院入試の過去問をたくさん解こう。できたら滑り止めの大学院の問題も解くとよい。
・単語・文法を定着させるために、徹底的に繰り返して記憶に定着させよう。
合わせて読みたい記事
-
【文系の院試対策】過去問の入手方法と活用方法を解説(その2)。過去問研究が大学院合格への近道です。【東大、早稲田、一橋合格実績あり】
この記事の内容 前回の記事に引き続き、過去問の活用方法についての解説 過去問を制するものは、院試を制す 前回の記事の続き 前回の記事では、私の経験を元に大学院試における過去問の入手方法並びに、過去問の ...
続きを見る
-
【文系の院試対策】主要な大学院の入試問題(過去問)の入手方法一覧【まとめ】
記事の内容 主要な大学院の入試問題の入手方法 主要な大学院の入試問題一覧 過去問を入手しよう これまで当ブログにおいて、過去問の重要性を指摘し、その活用法をお伝えしてきました。 大学院で要求される水準 ...
続きを見る
ドイツ語を選択して大学院に合格するために
ここまでドイツ語を利用して大学院に合格するための「一年の流れ」について書き記してきました。
この「一年の流れ」はあくまでも理想であり、他に大学院入試で必要な科目次第で学習進度は異なってくることでしょう。
しかし、この「一年の流れ」を基準にしてもらい、自身の学習速度が遅いかどうかを判断することができます。
もちろん、ドイツ語をガンガン学習することができるなら、予定を前倒しにしても問題有りません。
ですが、あまりにも前倒しにしすぎてしまい、基礎をおろそかにしてしまっては元も子もありません。
文法などの諸事項をしっかり記憶に定着できるように、自分のペースを見極めて学習を行うようにしましょう。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
おすすめの記事はコチラ
-
【文系の院試対策】合格へ最後の一歩!大学院入試における面接対策【東大・一橋・早稲田に合格実績あり】
記事の内容 大学院入試での面接の対策法 事前の顔合わせについて 面接の服装について 大学院合格まで最後の一歩:面接 多くの場合、院試の大トリを飾るのが面接です。 方々から話を聞く限り、面接の前に大体の ...
続きを見る
-
【文系の院試対策】試験まで残り1週間の過ごし方!大学院に合格するために準備すべきこと【東大、早稲田、一橋に合格実績あり】
記事の内容 いかに院試までの一週間を過ごすか 院試を平常心で望めるようにするための方法 平常心に「なる」ことが大事 当たり前のことですが、どのような試験においても平常心で望むことは必須です。 スポーツ ...
続きを見る