記事の内容
- フランス語の単語を学習する意義
- フランス語を学ぶことで日本語力が向上すること
- おすすめの仏単語帳
フランス語力を上げるには単語力
以前、英語学習の方法についてお話した際(参照:初学者のための英語学習法)、語学は単語力だということをお伝えいたしました。
これは英語に限らず、フランス語においてもそうなのです。
というのも、フランス語文法は、その規則をある程度勉強すれば、それで十分会話も文章も書くことができるようになるからです。
しかし、単語に関してはそうはいきません。
当たり前のことですが、自分が知らない単語は検索するまで絶対に分かりっこありません。
また文章を書くにせよ、会話をするにせよ、単語をそれだけ多く知っているということは、フランス語における表現力の上昇にもつながります。
したがって、単語は単純に覚えている数だけ、ご自身の「フランス語力」というものに直結します。
考えてみれば当然のことなのです。
例えば、日本語力ということを考えた際、その能力が高い職業ということで思い浮かぶのは、まず作家が挙がります。
小説を書く際に、同じ言葉を連発していては、その表現力の乏しさを指摘され、結果、その小説が多くの人に読まれたり、評価されたりすることはまずないでしょう。
したがって、言葉を磨くという時、ほとんどの場合が、語彙力を高めることを意味するのです。
フランス語も当然同じです。
語学力はまず「単語力」なのです。
単語力は日本語力もアップさせる
語学というと真っ先に思い浮かぶのは英語です。
英語はほとんど公用語になっており、いろんな方が勉強されているメジャーな言語です。
それと比べて、こと日本における他のマイナー言語よりは学習されているとはいえ、フランス語はまだまだ学習者が少ないのが現状です。
しかし、これは非常にもったいないことだと思われます。
なぜなら、一つの言語を知るということは、世界を別の解像度のもとで見ることができるようになるからです。
どういうことでしょうか。
これは英語学習に関する記事でも取り上げましたが、それぞれの言語ごとに見える世界は異なります(詳しくは以下を参照:初学者のための英語学習法)。
つまり、言語ごとにその人が知覚する網の目が異なり、網の大きさによってそこにひっかかるものが異なるのです。
もっと通俗的に表現をすれば、日本語には四季を表す言葉が多々ありますが、英語においては四季を意識した表現はあまり多くはありません。
これは一例ですが、ひとえに言語上の違いを表しているといえるでしょう。
英語を勉強される方はたくさんいますが、フランス語も学習されている方は多くありません。
こうした事情から、英語的な表現は日本語において共有されることは多々ありますが、日本語で共有されるフランス語的表現は少ないといえます。
だからこそ、フランス語を学ぶということは、英語を学習している人とはまた違った表現力を得ることができるのです。
ですから、詩人や小説家を目指す人だけでなく、ミュージシャンや映画監督、果てはサラリーマンに至るまで、少しでも言葉を扱う人であれば、語学の勉強をしてみることをおすすめします。
前述したように、フランス語力をあげるには単語力です。
多くの単語を吸収し、それを日本語的に表現することで、自分自身の日本語もどんどん向上していくのです。
おすすめの仏単語帳
ここまで簡単にではありますが、フランス語単語を学習すべき意義についてお話してきました。
ではフランス語を学習し始めた人はどの単語帳を使うといいのでしょうか。
私はこれまで様々な単語帳を用いて学習を進めてきました。
そうした実際の学習経験をもとにいかにオススメの単語帳を3冊、ピックアップしようと思います。
仏検3・4級必須単語集―petits pois
フランス語単語集で、定番中の定番がこの『仏検3・4級必須単語集』です。
この本は大別して、フランス語検定4級のセクションとフランス語検定3級のセクションに分かれています。
そしてそれぞれのセクションにたくさんの短い例文が載っていて、この短い例文に関係する単語が解説されています。
しかも、単にその例文で用いられた意味だけではなく、その単語に含まれている別の意味であったり、その単語を使った熟語なども記載されています。
したがって、『仏検3・4級必須単語集』は非常に情報量の多い単語帳であるといえます。
また、CDもついているので、音読学習もしやすいです。
この本のおかげで東京大学の他、早稲田大学、一橋大学の院試に受かったので、大学院入試対策にも使えます。
若干レイアウトが見づらく、多義語の意味が1つにまとまっておらず、複数の箇所に分かれて解説されてしまっている点が難点(例えば "passer" の解説)。
しかしながら、非常に情報量が多く、この本一冊で重要な単語が網羅されているのでオススメです。
特徴
- 短い例文で音読学習ができる
- 単語の様々な意味や熟語が豊富に載っており、これ一冊で十分な情報量がある
- 大学院入試でも使えるほど
フラ語ボキャブラ、単語王とはおこがましい!
前回の記事(【第二外国語で単位をとるために】授業と並行して使えるおすすめのフランス語入門書【中学、高校の授業でも使える】)でもオススメした著者、清岡先生が作られた単語帳です。
清岡先生の文体はチャラく、好き嫌いが分かれますが、その文体が合うようであればオススメです。
単語帳なのにジョーク連発で、学習していて楽しい単語帳になっています。
本の中身はそれぞれで場面を想定して(例えば「旅への誘い」など)、そこで使われるであろう単語が解説されています。
基本的に単語は一語一義で、フランス語の単語を学習するための入門書として最適です。
この本を一冊マスターすると1500語を習得したことになり、初級は卒業したといってよいでしょう。
CDもついているので発音も練習することができます。
難点は文体だけですので、そこがクリア出来る方には本当にオススメの一冊です。
特徴
- 小気味よいジョークが多く、学習していて楽しい
- しかし、著者の文法書と同様、その文体から好き嫌いが分かれる
- それぞれの場面を想定して単語を解説しているので覚えやすい
キクタン フランス語入門編
キクタンは英語や中国語などの単語帳も出している、超人気シリーズです。
CDで聴きながら、学習することができ、単元がひとうひとつ短いことから、隙間時間に勉強することができます。
また単語も一語一義で記載されており、非常に学習しやすく、ひとつ上の単語帳に繋げやすいです。
キクタンで設定されている日数でいえば、約10週間で一周できることになっていますが、それに拘らずどんどん進められる分量だと思います。
付録にはフランス語で重要な動詞の活用が載っており、それも合わせて勉強するとさらに学習効果があがるでしょう。
難点としては、単語がこれ一冊で500語くらいしか収録されおらず、次の『キクタン入門編4級』に進む必要があります。
しかも、キクタンはまだ3級までしかでていないため、中級以降の学習については別の単語帳を用いる必要があります。
また、フランス語の発音において、"h" などは読まないで発音することが多々あり、フランス語初学者にとっては英語ほどしっかりと聞き取ることがムズカシイです。
とはいえ、慣れてくれば耳から覚える効果は絶大です。
最初だけ辛抱する必要はありますが、やはりそこは安心と信頼の「キクタン」シリーズ。
是非活用して見て下さい。
特徴
- 隙間時間で学習できる手軽さ
- 耳から覚えることができ、学習しやすい
- しかし、初学者にとって最初のうちは慣れずに苦労するかも
最後に
いかがだったでしょうか。
是非、フランス語の文法の学習とともに、是非フランス語の単語も学習してみて下さい。
単語を勉強すると、街の風景の中に様々なフランス語で書かれた看板があります。
それを見て隠れたフランス語を探してみるのも面白いかも知れませんね。
フランス語を勉強すると思い立ったのですから、このままのやる気を維持して学習を継続させていきましょう。
ここまでお読み下さりありがとうございました。
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