記事の内容
- 大学院入試用に英単語対策を行う理由
- おすすめの英単語帳【応用編】
- 自分の研究領域の英単語について
- 語彙力強化は「反復」と「多読」
基礎は完璧に終わったか
前回の記事(【文系の院試対策】大学院入試で使えるおすすめの英単語帳5選【基礎編】)では英語に久々に触れた方や英語が苦手な方向けにおすすめの参考書をご紹介しました。
今回の記事では「応用編」ということで、大学院を受験する際に一冊やっておいた方がいい単語帳をご紹介したいと思います。
しかしながら、その前にしっかりと「基礎編」を終わらせることができているかが重要になります。
なぜなら応用には必ず基礎が必要であり、基礎なくして難しいことを学んでも生産性がないからです。
したがって、もし勇足で「基礎編」を終わらせてしまったのなら、もう一度しっかりと基礎をマスターしてから応用編に進むようにしてください。
「基礎編」で学んだ単語は覚えていなければ大学院入試の文章問題を解くことができません。
語学で焦ること禁物です。
時間をかけて一歩一歩着実に学習を進めるようにしてください。
大学院入試用の単語対策
ではここからは基礎編が終わったとみなしてお話を進めていきたいと思います。
基礎編では大学院入試の英語はそこまで難しくはないというお話をしました。
確かに大学院入試で出題される単語はそこまで難しいものはありません。
しかし、大学院ならではの出題傾向というものがあり、その対策をしっかりと行う必要があるのです。
それがテーマ・分野別の専門用語です。
それは大学院の英語試験のほとんどであるテーマ・分野に沿った長文が出題されるため、そのテーマ・領域で用いられる専門用語を勉強しておく必要があるのです。
例えば、哲学がテーマの長文で idea という単語が出てきたとします。
この idea は簡単な単語の部類に入るため、語の意味を聞かれて「考え」や「理解」などと答えることは容易なことでしょう。
しかし、こと哲学の文脈において idea はプラトンの「イデア」だったり、デカルトの「観念」だったりを意味する特殊な専門用語に変わります。
このように、テーマによって普段の意味とは異なる意味だったり、普段は使わないけれども頻出の単語だったりが大学院の試験では出題される傾向にあるのです。
したがって、これはどんなに英語が得意な人でも対策を講じる必要があると言えます。
基礎編の単語をしっかりとマスターしたら次は大学院入試用に英語力をチューンナップしていくのです。
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大学院入試対策で使うべき単語帳
では大学院入試対策として利用することができる単語帳は存在するのでしょうか。
結論から言いますと「存在します」。
したがって、以下に大学院入試対策として利用するべきおすすめの単語帳をご紹介していきたいと思います。
テーマ別英単語 ACADEMIC
大学院入試に向けた単語学習で最も内容が充実している単語帳は『テーマ別英単語 ACADEMIC』です。
コチラは ”academic” とタイトルに付けられているように、論文や研究書を読みたい方向けの参考書になっています。
本書は『速読英単語』のように英語の長文が付されており、長文を読んでいく中で英単語を覚えることができます。
そして『テーマ別英単語 ACADEMIC』の最大の特徴はその長文の背景知識が詳細に解説されていることです。
大学院入試はさまざまな学科を一括りにしてテストすることが多いため、自分の研究領域以外の研究領域・分野の文章を読む可能性があります。
その際に、その研究領域・分野の背景知識を持っているかどうかで長文の難易度が大きく変わってきます。
レベルも中級と上級があり、大学院入試を受験する人であればどちらもマスターしておくのがベターと言えるでしょう。
レイアウトも見やすく、CDもついているのでシャドーイングや音読をして単語を覚えることをオススメします。
院単 大学院入試のための必須英単語1800
『院単』はその名の通り大学院入試に的を絞った単語帳になります。
本書の特徴は大学院入試で出題されるような英文から単語をデータベース化し、その出題頻度順にランク分けされている点にあります。
本書の構成は左のページに「単語」、「意味」、「例文の意味」が掲載されており、右のページに「例文(英文)」が載っています。
非常にシンプルな作りで質素ですが、レイアウト自体はそこまで気になりません。
基礎編でご紹介した単語帳と『院単』を一冊マスターすることができれば、ほとんどの大学院の英語でわからない単語はなくなるでしょう。
大学院入試だけでなく、大学院進学後も学んだ知識が活きる単語帳と言えます。
リンガメタリカ
『リンガメタリカ』は『速読英単語』の兄的な存在で、『速読英単語』よりもレベルが一段高い内容になっています。
しかし、難易度は1冊目に挙げた『テーマ別英単語 ACADEMIC』よりは簡単な内容であり、基礎編を終えた方が次に進むのに最良の一冊と言えます。
本書は200誤程度の英文が50本ほど収められており、内容も専門的な内容のものが中心となります。
また『テーマ別英単語 ACADEMIC』と同様に背景知識も学ぶことができ、この背景知識を知っておくことで大学院入試の問題が解きやすくなったりします。
文章のレベルもMARCHから早慶レベルから選ばれており、大学院入試の問題と遜色ない点も高評価のポイント。
別売りのCDと一緒に勉強すれば、リスニング力も着くの一石二鳥です。
何度も何度も音読・シャドーイングして文章自体を暗記できるようにしましょう。
自分が専攻する研究領域の専門用語もチェック
ここまでおすすめの英単語帳についてご紹介してまいりました。
どれも大学院入試の英文を読むだけでなく、専門的な論文を読むために有益な参考書となっています。
しかしながら、大学院を受験するならば、これらの単語帳以外にもやっておいた方がいいことがあります。
それが「自分が専攻する研究領域の専門用語チェック」です。
というのも、もし一橋大学のように面接の際に語学の試験を課される場合、辞書の持ち込みなしで自分の専攻する研究領域に関する論文を読む必要があるからなのです。
そのため、自分が研究する領域が英語を必要とする場合、日本語に翻訳されている原語を当たっておく必要があります。
もし自分の専攻する研究領域に関する試験が出題される場合、やっておくべきことは二つあります。
1/自分の専門領域全体における有名な概念・単語の原語をおさえること、2/自分が研究対象としている人物ないし事柄で使用される概念や単語の原語をおさえることです。
1/の場合、領域全体(例えば「社会学」や「哲学」)になるためその領域全体をカバーしている事典を用意しましょう(例えば「社会学事典」や「哲学事典」など)。
そして事典の見出しや索引に載っている単語で重要なものを、定訳として訳出できるようにし、またその単語を見て意味がわかるようにするのです。
2/の場合、自分が研究する対象の定訳を知っておけばいいので、その人物が書いた本や資料などが通例どのように訳され、どのような意味であるかを確認するようにしましょう。
もちろん自分が受験する大学院でこうした試験が課されるのであれば学習する必要がありますが、出題されないのであれば無理に勉強する必要はありません。
したがって、学習するべきかどうかも含めて必ず過去問研究は行うようにしましょう。
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後は「反復」と「多読」あるのみ
ここまで「応用編」と銘打って、大学院を受験するためにおすすめの英単語帳をご紹介してきました。
今回ご紹介した内容をしっかりとこなすことができたならば、大学院入試でこと英単語に関しては困る事はないでしょう。
後は「基本編」と同様に何度も何度も繰り返し単語帳を周回するだけです。
単語を記憶に定着させるには何度も繰り返し反復することが大事であり、それと並行して五感をフルに使って覚えるようにしましょう。
また単語帳を一通り覚えたら、後は英文を読んでいく過程で、つまり「多読」していく中で出会った単語を片っ端から覚えていくようにしましょう。
単語帳には載っていなくとも頻出する単語というものが存在し、そうした単語を何度も目にし、辞書で調べることで記憶に定着させることができるのです。
なお多読を行う場合、活用するべきは大学院の過去問です。
大学院レベルの英文を読みたいなら実際に大学院の問題を使ってしまうのが一番なのです。
できるなら時間を測って問題を解き、解き終わったら長文の分析を行なって、そこでわからない単語を単語カードやノートなどにまとめましょう。
これによって語彙力はどんどんと上昇していきます。
もし自分が第一志望にしている過去問を用いるのが勿体無いと感じるのなら、他の大学院の過去問を用いるといいでしょう。
有名大学院の問題はこちらの記事(「大学院入試【文系の院試対策】主要な大学院の入試問題(過去問)の入手方法一覧【まとめ】」)でまとめています。
ぜひ参考にしてみてください。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
次回は英語文法の「基礎編」としておすすめの参考書を紹介したいと思います。