記事の内容
- 英文解釈の学習におすすめの参考書6選【基本編】
- 英文解釈の参考書を選ぶポイント
- 大学院入試対策としての英文和訳について
- 英文解釈の学習法
大学院入試の基本は英文和訳

大学院入試の基本的な出題パターンは英文和訳です。
この理由は単純で、正確に文献を読めるかどうかを試験を用いて確認したいからに他なりません。
と言うのも、大学院に入学してからは研究生活に入ります。
その際、一次文献あるいは二次文献で英語の文章を読む機会は非常に多くなるのです。
もしこの英文を正確に読むことができなければ、そもそも研究することができませんし、研究会でも他の人たちと議論を共有することすらできないのです。
だからこそ大学院側はしっかりと正確に英文を読む力があるかどうか、ひいては研究者としてやっていく力量があるかどうかを英文和訳という形式を用いて測ろうとしているのです。
以上からもし大学院入試対策を行おうとするのであれば、英文和訳の勉強は欠かすことはできないということになります。
POINT
大学院入試の基本は「英文和訳」。そのため英文解釈の学習は必須。
解釈・読解の勉強は必要か

しかしながら、読解や解釈の勉強など本当に必要なのでしょうか。
文法と単語さえしっかり学んだならば、自ずと読解・解釈はできるのではないでしょうか。
このように思う方もいらっしゃるでしょう。
ですが、英文を正確に読むためには文法や単語の学習だけでは難しく、ほとんどの人にとって英文解釈の勉強が必要となるのです。
言ってしまえば、単語や文法は「素材」であって、これら素材を「調理」し、うまく繋ぎ合わせるのが「解釈」になります。
したがって、いい素材だけを集めても美味しい「料理」にはならないのと同様、英文解釈の技法を学ばないことには正確な訳出などできないのです。
またこれは逆も然りで、調理法としての解釈技術ばかり磨いても、素材としての単語・文法が身についていなければ意味がありません。
読解とは文法に単語、解釈の技法という三つが全て揃って初めて意味をなすのです。
どれも手を抜くことなくしっかりと身につけるようにしましょう。
POINT
英文法と単語だけでは英文は読めないし、逆もまた然り。単語・文法・解釈の三位一体が重要。
読解の参考書を選ぶポイント

では解釈を学ぶにあたって、あるいは人によって復習するにあたってどのような参考書を選べばいいのでしょうか。
まず解釈や読解も、文法などと同様に基本的なものから始めるようにしましょう。
大学院入試だからといって、特別に難しいものから始める必要はないのです。
基本的な文章をしっかりと解釈できるようにすることが先決なのです。
そして解釈・読解に関する参考書を選ぶ際に注意すべきポイントですが、量より「質」を重視するといいでしょう。
ここで言う「質」とは解説が丁寧になされているかどうかになります。
と言うのも解釈を学ぶ場合、一文を分析しながら解説を行います。
その際、その一文に関する解説で理解できない箇所が出てきてしまうと、それだけで解釈の学習が進まなくなってしまうからです。
ですから解釈の基礎を学ぶ上では解説が丁寧であり、その解説の中で疑問を解消してくれるような参考書が望ましいと言えます。
POINT
英文解釈の参考書を選ぶポイントは「質」。解説が詳しいものを選ぶようにしよう。
英文解釈でおすすめの参考書6選【基本編】
ビジュアル英文解釈 Part I
英文解釈の金字塔は今なお健在です。
その金字塔とは駿台予備校の伝説的講師・伊藤和夫先生が著した『ビジュアル英文解釈』です。
この本が受験英語業界に与えた衝撃は凄まじく、Part I と Part II の2冊をしっかりとこなすことができれば、英文読解で困ることはなくなるでしょう。
また本書の魅力はなんと言ってもその解説の素晴らしさにあります。
本書は先生と生徒との対話形式によって話が展開され、実際に駿台生が躓いたポイントをに沿って伊藤先生が徹底的に解説してくれます。
もちろん一文ごとの解説も丁寧であり、 Part I をしっかりとこなすことができれば、この本だけでMARCH レベルの英文までは容易に読解することができるようになります。
レイアウトは少し古いですが、これまで何人もの学生の英語力を高めてきた参考書です。
是非この機会に取り組んでみることをおすすめします。
英文読解入門 基本はここだ!
現在は東進ハイスクールの講師である西きょうじ先生が代ゼミ講師時代に出版し未だ好評を博しているのが『英文読解入門 基本はここだ!』です。
この本は文型の取り方など英文解釈をする上で基礎となる事項から学習することができます。
本書の構成はまず抜粋された英語長文が載っており、その後にその英文に対する解説が続きます。
50問の問題と解説が収録されており、どの設問の解説も要点がまとまっており非常に分かりやすいです。
ただ内容としては簡単な部類に入るので、大学受験で英語をしっかりと勉強した人には少し退屈に感じてしまうかもしれません。
それでも英語を基礎に立ち返って学びたい、復習したいと考えている人には自信を持っておすすめができる一冊です。
文法事項の復習が済んだ人が次に進む本として、短期集中で取り組んでみてはいかがでしょうか。
肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本
最近の英文解釈で新たなスタンダードとして定着する可能性を秘めているのが『読解のための英文法が面白いほどわかる本』です。
この本は基本的な文法事項を終えて、読解の勉強に入ろうと考えている人におすすめしたい一冊と言えます。
というのも、この本のコンセプトは読解を勉強するための英文法を学ぶことであり、基礎英文法から読解へと架橋する役割を担っているのです。
名詞節や副詞節など33のテーマごとに読解に必要な文法事項がまとめられているなど、非常に学習効率の高い参考書です。
解説も非常にシンプルで分かりやすく、何度も繰り返し読み返すことが苦になりません。
とはいえ、やはり大学受験で英語を勉強したことがある人には少し簡単すぎる内容の可能性が高いです。
英語が苦手だったり、基礎をしっかりと固めたい人におすすめの一冊と言えるでしょう。
英文解釈教室 入門編/基礎編
『英文解釈教室』は最初に紹介した『ビジュアル英文解釈』の著者である伊藤和夫氏が書かれた本です。
こちらの本も非常に評価が高く、どのように頭を使って英語を読めばいいかという英文読解のプロセスが書かれています。
『英文解釈教室』の場合、「入門編」「基礎編」「新装版(=応用編)」と三段階に分かれて本が出版されており、おすすめはレベルを順番にクリアしていくことですが、自分の語学力と相談して学習する参考書のレベルを決めることもできます。
ただしレイアウトが少し古く、好き嫌いが分かれてしまう可能性があるのが難点といったところ。
また次回の【解釈応用編】の記事で詳しく書きますが、「新装版」は修正がなされたとはいえ、解説が少し難しいため英語が苦手な人は手を出さないほうが無難です。
とはいえ、3冊全て学ぶことができれば、重要な構文から難解な構文まで網羅的に習得することができ、労力をかけて学ぶ価値は大いにある一冊だと言えます。
入門英文解釈の技術70 / 基礎英文解釈の技術100
『英文解釈の技術』シリーズは昔から定評のある英文解釈の参考書になります。
こちらの本も非常に解説が充実しており、文型の解説や構文の見極め方などが懇切丁寧に解説されているのです。
これまで学習してきた基礎文法を英文読解へと上手く橋渡ししてくれます。
したがって、文法事項を終えた人が最初に手に取るべき参考書の一つであると言え、逆に言えば文法事項が疎かだと途端に難しくなってしまうと言えます(特に「基礎編」)。
本書の構成は例題と問題から成り、ボリューム自体は少ないですが、じっくりと腰を据えて取り組むことで同じ構文が出題されたときに読解できるように成ります。
ページ数も少ないため英語の復習に利用することもできます。
最低でも3周は繰り返し、本書の内容を頭に叩き込むようにしましょう。
入門英文問題精講・基礎英文問題精講
『英文問題精講』は上質な英文と解説で英文解釈を学習できる極めて優れた参考書です。
『入門英文問題精講』の特徴はなんと言っても著者による「英文法の基本講義」という全12回の動画解説を受けることができる点です。
1本5分程度の動画で英文法の重要事項を学ぶことができます。
『基礎英文問題精講』は「基礎」と書かれていますが、難しい内容も含むため注意が必要です。
しかしながら、「基礎」まで終わらせることができればほとんどの英文に対応するだけの力がついていることでしょう。
アプリを無料ダウンロードすることで音声データも入手することができますので、もし本書を利用しようと考えているならば合わせて利用してみると良いでしょう。

英文解釈の勉強法

ここまで英文解釈を学ぶのにおすすめの参考書をご紹介してまいりました。
ではこれらの書籍をどのように学習していけば良いのでしょうか。
まず重要なのはどの参考書を使うにせよ、「解説を読む前に、一度自分で英文を読解してみる」ことが重要です。
その際、漫然と訳すのではなく、自分なりに「どうしてこのように訳出したのか」という「文法的根拠」を言えるようにしましょう。
そして「訳出」と「根拠づけの作業」が終わったら、腰を据えて解説を読むのです。
なぜ「根拠づけ」というプロセスを経るのかというと、これにより解説を読む際に、正しい読解のプロセスと比較して「自分がなんで躓いたか」を知ることができるからです。
自身の躓きポイントをしっかりと把握することで、次に同じような構文を見たとき、同じ過ちを繰り返さないようにすることができます。
またできるのであれば文章を「音読」しましょう。
音読をすることで英文のリズムを肌で感じ取ることができ、かつ英語を英語のまま理解することができるようになります。
音読をする際のポイントですが、音読しつつも構文を意識して頭から訳し下すように意味をとっていってください。
最初は上手くできないかもしれませんが、何度も繰り返し音読することで構文が身につき、スムーズに英語のまま理解できるようになってきます。
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英分解釈の参考書は1/「解説を見ずに自力で訳出」⇨2/「訳出をした文法的根拠」⇨3/「解説を読む」というプロセスで学習しよう。
またできるなら音読もしよう。ポイントとしては頭の中で構文を意識し、訳し下すようにして繰り返し音読すること。
大学院入試は「応用編」まで終わらせればパーフェクト

ここまで英文解釈を学ぶにあたって基礎的な参考書でおすすめのものをご紹介してまいりました。
今回ご紹介した参考書はどれも解説が充実しており、英文読解の基礎を学ぶ上で最適の参考書と言えます。
ですが、受験で英語をしっかりと学んだ方や大学に入っても英語の学習を継続してきた方にとっては少し内容が簡単に思える場合があります。
したがって、これはご自身の英語力と相談になりますが、人によっては「基礎編」の学習は不要の場合もあると言えます。
しかし、そんな方でも次回の記事で紹介する英文解釈の「応用編」は学習すべきかもしれません。
というのも大学院入試だけでなく大学院に入学した後、つまり、研究で海外文献を読む際に必要になるかもしれないからです。
研究生活が始まれば語学の実力をじっくりと養う時間はあまりなくなってしまいます。
したがって、次回は「解釈応用編」と題し、おすすめの参考書を紹介したいと思います。
「基礎編」で英文解釈を学んだ方ともども「応用編」でご紹介する参考書でご自身の実力を磨いてみてはいかがでしょうか。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
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