記事の内容
- なぜ独文読解の勉強をする必要があるのか。
- 独文読解の参考書を選ぶコツ
- おすすめの独文読解の参考書3冊
読解の勉強が必要な理由
ドイツ語の文章が読めるようになることはドイツ語学習者の大きな目標の一つです。
多くの人がこの目標に向けて文法や単語といった、言ってしまえば地味な学習を積み重ねて来たことと思います。
しかしながら、このような経験はないでしょうか。
文法と単語をしっかりとやったはずなのにドイツ語の文章が読めない。
そうなのです。
ドイツ語の文章はただ単語と文法の学習を終わらせただけではなかなか読むことができないのです。
なぜなら、読解とは構文を精確に把握することだからであり、また文章の「行間」を読み解くことだからです。
構文とは文法や熟語、単語などから構成された文章の構造です。
したがって、ドイツ語に関する全知識を結集させて、一文が一文がそれぞれどのような構造になっているかを把握しなければならないのです。
また「行間」を読むとは文章全体、段落全体の論理構造を把握することです。
ドイツ語には特有の論理構造があるため、これを理解することなしに文章を読むことはできません。
ドイツ語の文章を読むためには、これまで学んできた文法や単語を有機的につなぎ合わせることが不可欠であり、そのためには読解の訓練が必要となるのです。
独文読解・解釈を学ぶ上での注意
とはいえ焦りは禁物です。
先にも言いましたように、独文読解とはドイツ語に関する全知識を結集させて読み解くものです。
したがって、まだ初級文法が終わっていなかったり、初級単語が身についていない場合は必ず先にそちらをやるようにしてください。
同時並行で行っても、文法事項がわからなかったり、簡単な単語でもいちいち辞書で調べなくてはいけないなど、余計な時間ばかりがかかってしまいます。
時間がかかると最初に学習した内容を忘れてしまい、復習のためにまた一からやり直すなど悪循環に陥りやすくなるのです。
その結果、ドイツ語の文章を読む前にリタイアしてしまった、なんてことも珍しく有りません。
語学学習はどんなに地味でも一歩一歩階段を登っていった人が強いのです。
ですから、もし初級文法や初級単語をまだ学習しきれていない人がいましたら、そちらを優先するようにしてください。
ドイツ語初級文法/初級単語はコチラから
独文読解を学べるおすすめの参考書3冊
独文解釈の秘訣
『独文解釈の秘訣』はドイツ語を学ぶ人全員が手に取るべき参考書と言えます。
昔から支持されている鉄板の参考書であり、レイアウトが少し古く感じられますが、それを補ってあまりあるほど素晴らしい問題と解説が収録されています。
2冊で1つの著作となりますが、この2冊を何度も繰り返すだけでドイツ語力は格段に向上します。
本の構成としてはまず10から20行程度の文章があり、その後に「注釈」として単語や熟語、文法事項が掲載されています。
解説はコンパクトに要点が纏まっているため非常に使いやすいです。
また「ポイント」という形で重要な表現は例文を交えて解説されています。
大学院に進学し、研究でドイツ語を活用しようと思っている方は是非この参考書で学習しましょう。
大学1・2年生のためのすぐわかるドイツ語 読解編
『独文解釈の秘訣』が難しそうだと感じる人にオススメなのが『大学1・2年生のためのすぐわかるドイツ語 読解編』です。
「大学1、2年生」と書かれていますが、独文解釈を学ぼうと考えている全員が最初の1冊目として使うことができます。
参考書自体がストーリー仕立てになっているため、ドイツ語に苦手意識を感じている人や難しいことが苦手な人でも学習しやすい内容になっています。
本書は基本的に見開き2頁で構成されており、短い文章と文法に関する設問に答える形になっています。
単語の注釈もあり、辞書を引かずとも学習できる形になっているのも便利です。
また解説や読解のポイントも丁寧に解説されており、初学者に優しい作りとなっています。
スモールステップで着実にステップアップしたい方にオススメです。
ドイツ語読解教室
語学を学ぶために歌詞を訳す方法は昔からありますが、『ドイツ語読解教室』もドイツにおける有名な曲の歌詞を訳しながら独文解釈の練習ができます。
この著作はなんといっても解説が丁寧なことで、1頁の8割以上も解説で占められている頁があるほどの充実ぶり。
全8曲が収録されており、重要な構文もしっかりと収録されています。
レイアウトもどこかクラシックの音色が聴こえてきそうな装丁。
まるで個人レッスンを受けているかのような感覚で独文解釈を学べるため、堅苦しい感じが苦手な人におすすめです。
レイアウトに関してはコチラから確認することができるので是非参考にしてみてください(参照元:白水社サンプルページ)。
独文読解の参考書を選ぶ際のコツ
ここまでオススメの参考書をご紹介してきましたが、読解を学ぶ上で何を基準に参考書をえらぶのがいいのでしょうか。
それはご自身が「ドイツ語を得意に感じているかどうか」です。
なぜなら、ドイツ語の解釈でいいとされる参考書は非常に硬い文章のものが多いからです。
もしドイツ語が少し難しいと感じているのなら、扱っている文章が優しいものから学習を始めるようにしましょう。
今回ご紹介した中ですと、おすすめは『大学1・2年生のためのすぐわかるドイツ語 読解編』になります。
逆にドイツ語が得意だと感じている人は、最初から難しい文章を扱っている参考書に挑戦してみるのもいいでしょう。
今回ご紹介した中ですと、『英文解釈の秘訣』がおすすめになります。
大学の入試問題から抜粋された良質なドイツ語の文章を味わいながら学習してみてください。
中級ドイツ語はもう目の前
さて、このドイツ語の解釈が終わったならば、もうドイツ語初心者は卒業と言ってよいでしょう。
すでに実力は中級ドイツ語に手が届くところにあるのです。
中級ドイツ語に足を踏み入れるためにも、これまで以上に手を抜くことなくドイツ語学習を継続することが重要になります。
これまでの文法学習において、長くて数行しか読めていなかったドイツ語が読解の訓練を行うことで何ページと読めるようになる。
この感動はひとしおです。
点と点が線になっていく快感が語学にはあるのです。
ですから、是非みなさんにもこの感動を味わっていただけたら幸いです。
次の記事ではここまでの内容を今一度整理するために、ドイツ語の学習の仕方についてまとめてみようと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
合わせて読みたい記事