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【文系院試】大学院の英文和訳対策!英文読解におすすめの参考書【解釈応用編】

2022年4月19日

記事の内容

  • 英文解釈におすすめの参考書【応用編】
  • 参考書を学ぶ順番について
  • 多読のススメ

英文解釈の基礎は身についているか

前回の記事【文系院試対策】正確な英文和訳のために!読解におすすめの参考書6選【解釈基礎編】)では英文解釈を学ぶために基礎となるおすすめの参考書をご紹介しました。

前回記事は基本的に英語に自信のない方が大学院を目指すにあたって学習するべき参考書をご紹介しました。

したがって、前回記事は大学に入学してからもしっかりと英語を学んでいたり、受験勉強で英語に取り組んでおり、基礎力がすでに身についていたりする方には不要のものとなります。

しかし、きっちりと英語の基礎が身についているのであれば問題ないのですが、受験勉強から時間が空いているなど、実はその基礎に穴がある場合、応用的な内容を学習してもなかなか身につかないことが多々あるのです。

ですから、大学で少し英語に触れている程度の方であれば、「基礎編」の参考書を利用することから始めることをおすすめします。

「基礎編」の参考書から始めると言っても、英語を学習してきた方であればそこまで時間のかかる作業ではないでしょう。

短期集中で一気に基礎力を総点検し、一時英語から離れていたブランクを埋めるのです。

まずは大学院に合格することが最優先ですから、自分の語学力と相談しつつ、どのレベルから始めるべきかを考えるようにしましょう。

大学院に入って研究をするならもっと上のレベルへ

さて、基本的な英文解釈の技術を学んだ方は、この段階で大体の大学院の入試問題を読解することができるようになっていることでしょう。

しかしながら、東京大学の大学院を目指す場合や英文学科に進学する場合など、基礎編でご紹介した以上のレベルが要求されます

また研究において英語の文章を扱う際、文法的に整っていない、いわゆる「悪文」に出会うことがしばしばあります。

またクセが強い文体の著者も多く、大学院入試で扱われる英文のようにすんなりと読解させてくれない場合も結構な割合であるのです。

したがって、大学院に進学したいと考えているすべての学生にとって、大学院に入学した後の研究を考えるならば、より一層高いレベルでの英文解釈の技術は学んでおくべきなのです。

以上から、本記事ではまず「応用編」として東大、早慶レベルの英文を読むことができるようになる参考書をご紹介したいと思います。

そして次の記事ではさらに「上のレベル」に進むための参考書をご紹介したいと思います。

ひとまず大学院入試を考えるならば、本記事で紹介する参考書をマスターすることで、ほとんどの大学院に合格することができると言えます。

英文解釈におすすめの参考書6選【応用編】

ビジュアル英文解釈 Part Ⅱ

『ビジュアル英文解釈』は駿台予備校の伝説的な英語講師の伊藤和夫先生が書いた不屈の名著です。

本書の解説は先生と生徒が対話する形式で展開され、生徒の間違った箇所を中心に正しい英文解釈の方法が解説されます。

また非常に丁寧な解説で無駄がなく、効率的に英文読解の技法をマスターすることができるのです。

本書を学ことで東大、早慶クラスの英文を読解することができるようになります。

ただし Part Ⅰ と Part Ⅱ の間には結構なレベルの差があります。

本書で使用されている英文のレベルが Part Ⅰ よりもだいぶ難しく設定されているのです。

したがって、もし本書に取り組んでみて難しいと感じる場合は、別の参考書を間に挟んでみるのもいいかもしれません。

ですが、本書の内容は数多ある参考書の中でもずば抜けていますので、他の参考書を使った後でも是非手に取ってみることをおすすめします。

ポレポレ英文読解プロセス50

『ポレポレ英文読解プロセス50』は英文解釈のエッセンスの詰まった一冊です。

今は東進ハイスクールで教鞭を奮っていらっしゃる西きょうじ先生が書かれた本になります。

本書は50個の英文を例題として解釈の技法が詳細に解説されています。

この本をしっかりとマスターすることができれば、大学院入試の英文で困ることはほとんどなくなるでしょう。

とはいえ、英文・内容共に難しいものを扱っているため、英文解釈の基本を身につけた方が必須条件です。

なお西先生の Youtube チャンネルではポレポレの解説講義がアップされているので、合わせて視聴すると学習効率が上がります。

ぜひ活用してみてください。

肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本 難関大編

英文読解の新定番として定着しつつある『読解のための英文法が面白いほどわかる本』ですが、最近満を持して出版されたのが「難解大編」です。

難関大学を受験する際に必修の39テーマが収録されており、大学院入試においても非常に役立ちます。

英文は図解されているため、イメージとして理解しやすいのもおすすめのポイントです。

ただし難関大の英文を引用してはいるものの、他の参考書と比べたら少し簡単な部類に入ります。

したがって、本書を学び終わったら本記事で紹介されている他の参考書に進むと良いでしょう。

しかしながら、逆を言えば『ビジュアル英文解釈』や『ポレポレ』など他の参考書に取り組んでみて難しいと感じた場合、この本を間に挟むことでレベル差をうまく架橋してくれます。

スタディサプリを利用している方ならば、本書と併せて勉強することで学習効率のアップが望めるでしょう。

英文解釈教室 新装版

『英文解釈教室』も非常に評判のいい英文解釈の参考書となります。

本書は難しい英文を正確に読解できるようにするために最適の参考書です。

この本をマスターすることで難解な英文の構造を文頭から訳し下す形で理解できるようになります。

なお本書で取り上げられている内容も英文もかなり高度であり、読解の基本ができていることが本書を学ぶ最低条件となります。

また難点としては解説の文章が少し難しいことが挙げられます。

改訂版では文章表現に修正が加えられましたが、それでもまだ難しい表現が見受けられますので少し注意が必要です。

レイアウトは少し古いですが、この本一冊で相当な英語力がつきますので研究で英語を使う予定の方は是非取り組んでみてください。

英文解釈の技術100

これまで『英文解釈の技術』シリーズを使って英文解釈を学習してきた方は本書まで必ず学習するようにしましょう。

大学受験では東大、早慶レベルの英文を取り扱う本書は昔から評判がよく、英語力向上にうってつけの一冊です。

本書は冒頭から段階的に英文のレベルが上がっていくため、無理なく最後までやり通すことができます。

また掲載されている英文全てにSVOC、つまり文型が示されており、文構造の理解がしやすい作りになっています。

なお引用されている英文のレベルは非常に高いため、こちらも英文解釈の基礎をしっかりと学んでいることが大前提となります。

じっくりと腰を据えて英文解釈を学びたい人におすすめの一冊です。

英文読解の透視図

本記事で取り上げる中で最も内容的に難しい参考書と言えるのが『英文読解の透視図』です。

大学受験では正直ここまでやる必要はないとさえ言える内容ですが、大学院で研究を考えており、今後も英語を使っていく予定の人はここまで勉強することをおすすめします。

本書は河合塾の講師3名による連名の出版であり、予備校の授業を受けているかのような講義形式の参考書となります。

テーマは全50テーマほどと英文解釈の参考書としては標準的な分量ですが、英文の難易度が非常に高く、密度の濃い学習をすることができます。

一つ一つの文法事項に対する説明は少なく、重要なポイントに焦点を当てて解説されているため、英文解釈上級者向けの一冊です。

できれば英文解釈の集大成として、本記事で紹介されている他の参考書が終わった後に取り組むと良いでしょう。

どの順番で参考書をやっていくか

前回の記事()に続いて、本記事で紹介した参考書までマスターすることができれば、大学院入試とはいえ英文解釈でそうそう困ることはないでしょう。

ですが、ここまで様々な本をご紹介してきたため、どのように参考書をレベルアップさせていけばいいか悩んでしまう方もいるでしょう。

結論から言えば、基礎編で選んだ参考書のシリーズ本や姉妹本を選んでレベルアップさせていくのがおすすめです

なぜなら、同じ著者による解説で参考書のレベルを上げて行った方が、同じ説明の仕方で英文解釈を学ぶことができ、新しい違ったやり方で学ぶのに対して理解の速度が断然異なってくるからです。

ですが、『ビジュアル英文解釈』のように同じシリーズでもいきなり英文のレベルが上がってしまうことがあります。

その場合はそのレベル差を架橋するために、途中で別の参考書を挟んでみるのもおすすめです。

例えば、上述している『読解のための英文法が面白いほどわかる本』や「基礎編」でご紹介した『基礎英文解釈の技術100』のように、英文自体はそこまで難しくはないものの、難解な英文を理解するために必修の項目を扱っている参考書をやってみるのです。

大学院入試では参考書を早く終わらせるのが重要なのではなく、大学院入試で出題されるレベルの英文を読めるようになることが重要です。

焦ることなく、自分の実力に見合った参考書を着実にこなすようにしましょう

なおおすすめの参考書として最後にご紹介した『英文読解の透視図』は、どの参考書で学習したのであれ、時間があるようであればぜひ取り組んでみてください

ここまで学習することができれば、大学院に入った後の研究においても十分通用する読解力が身についていると言えます。

多読をしよう

最後はなんと言っても「多読」です。

学んだ英文読解の技法を英文を読解する際に使用することができるかアウトプットするのです。

このアウトプットは一度だけでは効果は薄く、様々な英文と対峙することによって英文解釈は自分の血となり肉となるのです。

したがって、英文解釈を学んだ後は多読をしましょう。

多読をする際は長文の問題集を使用するのがおすすめです。

なぜなら、長文問題集には問題だけでなく解説が載っているからに他なりません。

長文を解きっぱなしにして、自分の読解の誤りを放置しておくのではなく、自分の読解のどこが間違っていて、どのように修正すべきかを見つけ出すことが重要なのです。

おすすめの英語長文問題集は別の記事で紹介する予定です。

また実際に大学院入試の英文を読んでみたり、解いてみたりすることも大事です。

自分の志望する大学院が出す英文のレベルを知ることもできますし、自分の実力が大学院入試でも通用するかを測ることもできるからです。

とはいえ、志望する大学院入試の問題を使用することに抵抗がある方は、自分が受験しない他の大学院の問題をやってみるといいでしょう。

院試の問題はこちらの記事【文系の院試対策】主要な大学院の入試問題(過去問)の入手方法一覧【まとめ】)にまとめているので是非活用してみてください。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

次回は大学院入試を飛び越えて、日本語で読むことができるさらに上のレベルに進むためにおすすめの参考書をご紹介したいとおもます。

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