記事の内容
- 外国語の単語を学ぶ意義
- 単語帳選びのコツ
- ドイツ語のおすすめ初級単語帳3冊
外国語の単語を学ぶ意義
ドイツ語に限らず、語学において単語を学ぶ意義とはなんでしょうか。
会話で使えるようにするため? 文章を読めるようにするため?
もちろん単語は会話にも文章の読解にも重要なものです。
しかし、それ以上に単語を学ぶ理由は「他国の文化、価値観を知ること」にあります。
なぜなら、単語というものはその国の文化を如実に表すからにほかなりません。
有名な例になりますが、ドイツ語における "Kummerspecker" という言葉は ある意味で日本語に訳すことができないのです。
というのも、直訳するならば「悲しみ(=Kummer)ベーコン(=Speck)」という意味になるからです。
”Kummer” には「悩み」の意味があり、"Kummerspecker" とは「悩みから食に走ってしまって身体についた贅肉」のことを指します。
このように日本語にはないドイツ語独自の表現が単語には表されている場合があり、したがって、外国語の単語を学ぶということは他国の文化、価値観を知ることに繋がるのです。
単語帳を選ぶコツ
では実際にドイツ語の単語を学ぶ際に、どのような点に気をつけて単語帳を選べばよいのでしょうか。
それはズバリ「単語数」と「レイアウト」になります。
正直なところ、初級の単語帳であれば掲載されている単語に大きな違いはありません。
それよりも単語帳に収録されている単語数が多すぎることの方が問題になります。
なぜなら、単語数が多すぎる場合、覚えきることができずに途中でドイツ語学習をやめてしまうことに繋がってしまうからです。
どの言語にも言えることですが、語学をスタートしたばかりの人にとって、たくさんの言葉を覚えることはそれだけで大変なことになります。
初学者の場合、最初からたくさんの単語を覚えようとせずに、早めに一冊の単語帳を終わらせるようにすることがおすすめです。
もちろん、コツコツと積み上げていくことが得意な人であれば、一冊にたくさんの単語が載っているものでも最後までやり遂げることができるでしょう。
自分自身と相談し、単語数が多い単語帳がいいのか、少ない単語帳がいいのかを吟味することが重要となります。
またドイツ語の単語帳はあまりレイアウトのいいものが少ない印象があります。
レイアウトが微妙だと学習意欲がわかなかったり、そもそも覚えにくかったりします。
気にならない人であればいいのですが、ドイツ語学習の最初の相棒となる本ですので、一度レイアウトを確認しておくことをおすすめします。
おすすめの単語帳3冊
良い単語帳とはなんでしょうか。
それはその単語帳が「自分に合っていて最後までやり遂げることができるもの」です。
単語帳にはそれぞれに特徴があり、その特徴次第で合う合わないが決まってくると言えます。
したがって、単語帳の特徴を把握することが、単語をより早く覚えることができる近道になるのです。
ですから、今回ご紹介するそれぞれの単語帳の特徴をしっかりと把握して、自分に合う単語帳を是非見つけてみてください。
それではおすすめのドイツ語初級単語帳についてご紹介していきます。
最効率! 例文で覚えるドイツ語単語
『最効率! 例文で覚えるドイツ語単語』は、アマゾンで売上一位を記録しているドイツ語の単語帳です(2021年9月28日現在)。
本のタイトルになっている通り、例文を使って単語を覚えることができるのがこの本の最大の特徴となります。
1つの例文は4〜5語で構成されており、重要な熟語表現も収録されています。
例文の効果は絶大で、単語は文章で覚えたほうが記憶に残りやすくなるのです。
音声ファイルもホームページからダウンロードできるため、音読の練習はもちろん、ディクテーションの練習も可能です。
また、もしこの本に載っている例文を暗記することができるならば、例文を覚えることが重要である会話を学ぶ際にも効果を発揮します。
この本一冊で独検5級から2級まで対応可能なのですが、一つの例文が例えば、5級と4級の単語で構成されているなど、各級ごとに学ぶことができないことが難点といえるでしょう。
レイアウトもごちゃごちゃしておらず、見やすい作りになっています。
レイアウトに関しては、コチラから確認することができますので是非確認してみてください(参照:研究社HP『最効率! 例文で覚えるドイツ語単語』サンプルページ)。
POINT
・例文を使って単語を覚えることができるのが特徴。
・1つの例文は4〜5語で構成されており、重要な熟語表現も収録されている。
・独検5級から2級まで対応可能だが、各級ごとに学ぶことができないのが難点。
独検対応 クラウンドイツ語単語1600
『独検対応 クラウンドイツ語単語1600』は、各級ごとに重要な単語から学んでいくことができる単語帳です。
なんといっても、その特徴はシンプルなデザインにあります。
スッキリとしたデザインで、何が重要なことなのかがひと目で分かる作りになっています。
ドイツ語の動詞を学ぶ際、目的語に何格の名詞が来るかが非常に大事になるのですが、『独検対応 クラウンドイツ語単語1600』ではそれを確認しながら覚えることができます。
また項目が品詞ごと、テーマごとなどに分かれているため、グループにして覚えることができるのも便利です。
単語数も必要十分で、私自身、大学院入試の勉強ではこの本をメインで使って学習を進めていました。
もちろんCDが付いており、例文も掲載されているので、ディクテーションや音読の練習も可能です。
難点として一語あたりに載っている意味が少なく、辞書で補足する必要がある点です。
とはいえ、語学初心者にとっては一語一義の方が覚えやすいため、ある意味学習しやすいとも言えます。
レイアウトに関しては、コチラから確認することができますので是非確認してみてください(参照:三省堂HP『独検対応 クラウンドイツ語単語1600』サンプルページ)。
POINT
・シンプルなデザインで、重要なことがひと目でわかるのが特徴。
・品詞・テーマごとに分類されていたり、動詞の場合、何格が目的語として来るかが示さているため学習しやすい。
・難点は一語あたりに載っている意味が少ないこと。
キクタンドイツ語入門編
『キクタンドイツ語入門編』と『キクタンドイツ語初級編』は通勤・通学の電車の中など、隙間時間にもドイツ語学習ができる単語帳です。
この本の特徴はなんといっても「耳で覚えること」に特化している点にあります。
リズムに合わせてドイツ語単語と日本語訳が流れるため、音楽を聞いているような感覚で単語を覚えることができます。
載っている単語は456語と少なく、1日8語を2ヶ月で終わらせるように設計されているため、簡単に一冊を終わらせることができます。
また『キクタン』はその音声ファイルが優秀であるがゆえに、音声の方ばかりがピックアップされがちですが、テキストにも工夫が施されています。
例えば、アクセントになる母音には色がついていてひと目でわかりますし、名詞には「女性形や複数形」、形容詞には「反意語」が掲載されています。
テキストと音声ファイルを合わせて使用することにより、より効果的な学習ができるといえるでしょう。
難点としては、収録単語数が少ないため、かならず入門書と初級編の両方を終わらせる必要があるという点です。
『キクタン』の音声は、Amazon の Audible 版からサンプルを無料で視聴することができます。
POINT
・リズミカルな音楽に合わせて単語学習がてきることが特徴。
・音声だけでなくテキストにも様々な工夫が施されているため、テキストと合わせて学習することがおすすめ。
・難点は単語数が少ないこと。必ず入門編と初級編を合わせて学習しよう。
単語は積み重ねが大事
ここまでおすすめのドイツ語初級単語帳についてご紹介してきました。
今回ご紹介した単語帳のどれもがそれぞれに特徴があり、使いやすいものになっています。
しかしながら、語学学習においていちばん重要なことは自分に合うかどうかです。
したがって、しっかりと検討して自分にピッタリのものを見つけていただければ幸いです。
そして、単語学習とは一日二日で終わるような代物ではなく、必ず長期戦になります。
したがって、地味な作業となりますが、毎日コツコツと単語を覚えていくしかないのです。
ローマは一日してならず。
毎日の積重が必ず、ローマに通じる道を準備するのと同じように、毎日の単語学習がドイツ語力の強化を準備してくれることでしょう。
もちろん単語を覚えるコツなどもありますので、いずれご紹介したいと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
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