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【文系の院試対策】大学院を目指す英語が苦手な方へ。おすすめの基礎英文法書を紹介【インプット編】

記事の内容

  • おすすめの英文法書を5冊紹介
  • 自分の語学力に合った最適な文法書がわかる
  • 大学院に合格する際に注意すべき点

大学院入試も基礎から始まる

「大学院入試のための英文法」と書くと、なんだか大学院入試でしか出題されない特別な内容があるのではないかと考えてしまいがちです。

ですが、「英語は英語」です。

英語に特別な英文法などなく、全ては「同じ英語」の中から出題されるのです

大学院入試では複雑な構文や文法事項が問題として出されます。

しかし、その複雑さを一つ一つ紐解いていけばさまざまな文法事項の集合であることが見えてくるのです。

こうしたことから透けてくる大学院側の出題意図とは、大学院に進学してからしっかりと研究を行うことができる土台を持っているかを判断することにあるのです。

研究を行うにあたって、どうしても研究に必要な文献が非常に難解な文章であることがしばしばあります。

そうした場合、どうにかして難解な文章を読み解く必要があり、その際、重要になってくるのが自身が身につけたさまざまな文法知識なのです。

つまり、基礎的な英文法の知識を総動員して様々に組み合わせることで、一文を分析し、難解な文章の読解を可能にするのです

またいかなることも基礎なしに応用は身につきません。

これは土台がしっかりしていないのに立派な家が建たないのと同じなのです。

したがって、まず確認すべきは「基礎工事」としての基礎英文法なのです。

文法なくしては読解の指針を立てることもできず、いくら単語を覚えたとして役に立ちません。

英語が苦手だと感じている方は特に基礎英文法から見直すようにしましょう。

背伸びしすぎないように注意

とはいえ、多くの方は大学受験で英語をすでに学習したことがあることでしょう。

したがって、そうした方々は英文法自体も既習事項ということになります。

無論、大学に入ってからも英語の勉強を熱心に行なってきたのなら、本記事で書かれている内容は不要でしょう。

しかし、大学に入ってサークルやバイトなどに熱中して英語学習を疎かにしてきた人は注意が必要です。

大学受験で勉強したことがあるからとすぐに難しい参考書に手を出してしまうと後で手痛い失敗を犯すことになってしまう可能性があります。

というのも、大学受験から時間が経った今、基礎的な英文法に「抜け」がたくさん出ているからです。

つまり、大学入試で学んだことを忘れてしまっているのです。

もし「抜け」があるまま難しい内容を学習したとしてもどこかで躓いてしまい、結果大学院合格が遠のいてしまいます。

自信を持つことは大事なことですが、それが過信であるならば注意しなければなりません。

まずは冷静に自己分析し、自分の英語力がどのくらいのものであるかを考えてみるようにしましょう。

まずは文法をインプット

さてこれからおすすめの英文法書をご紹介するわけですが、その前に確認しておきたいことがあります。

それは英文法書の種類に関することです。

英文法書は大まかに2種類に分類することができます。

すなわち、1/インプット型と2/アウトプット型です。

1/インプット型とは英文法の理解を担う参考書であり、文法のルール・規則をわかりやすく解説してくれるものです。

2/アウトプット型とは1/インプット型で学んだ英文法を理解できているか確認するものであり、インプットしたものを記憶に定着させる役割を持ちます。

何よりもまず英文法とは英語の決まり・ルールであり、道路の規則のようなものです。

このルールをしっかり理解しなければ、車の運転ができないように英文を読むことはできません。

ですから最初は数ある英文法書の中でもインプットに特化したものから学ぶべきなのです。

そしてその次にそのインプットしたものを定着させるために、アウトプットに特化したものに進むようにしましょう。

本記事では1/インプット型の参考書をご紹介し、次回以降の記事で2/アウトプット型のおすすめの参考書をご紹介したいと思います。

おすすめの英文法書5選【インプット編】

そうしたわけで、基礎的な英文法を学ぶのに、また復習するのにおすすめのインプット型英文法書をご紹介していきたいと思います。

紹介するにあたって、それぞれの参考書の特徴を書き記していきます。

この特徴を参考にしていただき、自分に合った英文法書を見つけることができたら幸いです。

先にも書きましたが、背伸びは厳禁です。

大学院を受験するからと言っても、必ず自分のレベルに合った文法書を選ぶようにしましょう。

一億人の英文法

英文法を総復習したいと考えている方に一番おすすめしたいのがこの『一億人の英文法』です。

分厚い本ですが、豊富なイラストとわかりやすい解説でスラスラと読めてしまうのが本書の特徴になります。

単なる英文法の復習に終わることなく、ネイティブの思考から英文法を捉え、「話せる」英文法を学ぶことができるのです。

もちろん、文法事項は網羅的に掲載されているので通読以外にも辞書のように使用することも可能。

しかしながら、英語が苦手で基礎の基礎からやり直したいという人には少し不親切な点もあります。

本書にはそのように書かれていませんが、受験勉強などである程の文法知識を持った人が読者として想定されているように思います。

とはいえ、口語調で書かれているため通読しやすく、文法事項は大学院入試でも十分通用する水準にあります。

英語を学んだことがある人で、もう一度英語を基礎から復習したいと思っているのであれば是非取り組んでみることをおすすめします。

レイアウトも非常にカラフルで見やすいです。

東進WEB書店のHPサンプルページ)からレイアウトや内容などを確認することができるので、気になる方はこちらも参照してみてください。

今井の英文法教室

大学受験で英文法の解説をさせたらこの人の右に出るものはないでしょう。

そんな今井宏氏が著した『今井の英文法教室』も文法を総復習するのにおすすめの参考書です。

こちらも英文法に関して一通り勉強したことがある人、あるいは英語を復習したいと考えている人に便利な本となります。

形式としては問題演習をしながら英文法を学ぶことができるのですが、その問題に対する解説が本当に分かりやすいのです。

また問題自体は良質なのですが、問題量的には少なめです。

したがって、短期間で「上」「下」2冊とも終わらせることができるため、基礎を一気に総復習したい方におすすめの本と言えるでしょう。

しかし、収録されている文法事項は若干網羅的とは言い難く、『Evergreen』や『一億人の英文法』、あるいは『Forest』などと併用して使うとより確実に基礎を学ぶことができるでしょう。

レイアウトは他の東進ブックスシリーズ同様にシンプルで見やすい作りになっています。

総合英語 Evergreen

受験英語の定番であった『Forest』の進化系とも呼べるのがこの『総合英語 Evergreen』です。

高校で習うべきほとんどの英文法が収録されており、これを一冊理解するだけで英文法で困ることはなくなるでしょう。

文法や語法の解説も詳しく、英語を独学するならば必携であるといえます。

大学院受験でなく、大学院に入った後も重宝すること間違いなしでしょう。

しかしながら、あまりにも膨大なボリュームのため、人によっては消化不良を起こしてしまう可能性もあります。

したがって、自分の語学力と相談する必要があり、受験勉強で英語を一通り習得した人がもう一度復習する場合におすすめの一冊となります。

とはいえ、図説での解説やコラム解説なども充実しているため、ご自身の英語力を高めてくれることは間違いありません。

いいずな書店HPサンプルページ)より内容やレイアウトなどの確認ができますので、気になる方は是非チェックしてみてください。

TOEICテスト650点突破!文法講義の実況中継

TOEIC対策としても非常に評価の高い文法書がこちらの『TOEICテスト650点突破!文法講義の実況中継』です。

本書は他の実況中継シリーズと同様に口語調で文法を解説してくれるため、非常に通読がしやすい参考書です。

解説も非常に丁寧で、重要な文法事項にはかなりのページを割いて解説がなされています。

ただ所々(ブラック)ジョークが散りばめられており、それが気になる人には本書が向かない場合もあります。

また文法に関する知識を一通り持っている人には解説が少し冗長に思えてしまう可能性があります。

本書の対象としては英語学習から離れて久しい人や、英語自体に苦手意識のある人であり、そうした人がまず1冊目として取り組むものと言えるでしょう。

大学院入試でTOEICを利用することができるが、しかし、なかなかTOEICの点数が伸びない人にもおすすめの一冊です。

非常に読みやしい本なので何度も周回して記憶に定着させるようにしましょう。

大岩のいちばんはじめの英文法

『大岩のいちばんはじめの英文法』は昔から大学受験において定評があり、とにかく英語が苦手な人におすすめの一冊です。

レベル的には中学校英語から復習することができ、まさしく基礎の基礎から学び直すことができます。

重要な文法事項だけでなく、文型などがこれでもかと懇切丁寧に解説されており、腰を据えて読むことで英語力の土台を作り上げることができます。

また文章自体も口語調で読みやすく、分かりにくい箇所はイラストなどで図示されています。

大学院試験はこれまでお話ししたように、基礎力の充実なくして合格はありません。

自分の語学力に不安のある人は、まずここから勉強し直すことが実は最短ルートで合格する近道になったりするのです。

もちろん、この本一冊では大学院入試に必要な文法事項は賄えないので、上記のいずれかの英文法書に進むのがおすすめです。

英語が苦手な人がこの本を一冊やり遂げた後で他の参考書に取り組んでみると、英文法への理解度が変わっていることに感動することでしょう。

英語の学習スピードが本当に変わるので、英語に不安のある方は是非ここからスタートしてみましょう。

いかにして他から離されないかが重要

ここまでおすすめの基礎英文法書をご紹介してきました。

これらの基礎は大学院入試という日時の決まった試験ですから、なるべく早く終わらせるに越したことはありません。

しかし、だからと言って疎かにしても大学院への合格は難しくなってしまいます。

というのも、大学院入試での英語はほとんどの人が「できて当たり前」だからです。

大学院入試の問題は英文学科など一部の例外を除けばそこまで難しいものではありません。

大学院入試問題は基本的な問題とその基礎を基にした応用問題から構成されているため、大学院に合格する受験者の多くはそこで点数を取りこぼすことはないのです。

したがって、自分のちょっとしたミスで他の受験者との差が開いてしまうことが往々にしてあるのです。

こうしたことから、大学院入試の英語試験とはいかにして他の受験者から離されないかが合格を勝ち取る重要なポイントになります。

是非過信することなく、基礎英文法をしっかりと抑えた上で大学院入試に臨むようにしましょう。

次はアウトプットへ

今回の記事では英文法の基礎、それもインプットに焦点を当てて解説してきました。

大学に入ってから英語に本腰を入れて取り組んでこなかった方は是非一度基礎から確認するようにしましょう。

一度大学受験で学んだことがある言語ですから、そこまで復習に時間はかからないはずです。

さて、次回はインプットに続き、英語基礎文法に関してアウトプットができるおすすめの参考書をご紹介したいと思います。

英文法におけるアウトプットとは文法に関する問題を解くことです。

先にも書きましたように、このアウトプットを介して文法事項を記憶に定着させることができ、また自分のわからない文法事項を炙り出すことができるのです。

是非次回の記事で詳しく解説する予定なので、合わせて読んでいただけたらと思います。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

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