大学院入試

【文系の院試対策】過去問の入手方法と活用方法を解説(その2)。過去問研究が大学院合格への近道です。【東大、早稲田、一橋合格実績あり】

2021年9月3日

この記事の内容

  • 前回の記事に引き続き、過去問の活用方法についての解説
  • 過去問を制するものは、院試を制す

前回の記事の続き

前回の記事では、私の経験を元に大学院試における過去問の入手方法並びに、過去問の活用法をお伝えしました。

前回の記事は長くなってしまったため、今回の記事でも引き続き「過去問の活用法」について記していきたいと思います。

簡単に前回の内容を振り返ってみるならば、大学院が要求していることを把握し、それに向けて対策を講じることが大学院合格の近道となるということでした。

そのためには、何よりも過去問を研究することが重要になってきます。

過去問研究は実際に問題を解き、分析することを意味します。

詳しい分析に関しては前回の記事を参照していただきたいのですが、分析をすることによって初めてわかってくることがたくさんあります。

したがって、今回は前回の記事で分析したことをもとに、より有効に過去問を活用する方法について解説していきたいと思います。

過去問の活用法(2)

学習の指針を決定しよう

過去問を分析してみると、志望する大学院がどのようなことを要求しているかがわかってくると思います。

語学でどのくらいのレベルが求められているのか、大学院に入るにあたってどのくらいの知識を持っていることが前提になっているのかなど。

上記以外にもさまざまなことがわかってきます。

そしてこのことは、同時に、自分の現状を分析することも可能にしてくれます。

つまり、大学院の要求と自分の現状の間にどれだけの隔たりがあるのかを教えてくれるのです。

これによって、「優先して学習すべきもの」がだんだんと見えてきます。

専門科目の試験よりも語学の試験の方が自分には辛いと感じたならば、専門科目の比重をさげ、語学に力点をおくといった具合に、自分の進むべき道が見えてくるのです。

要するに、学習の優先順位が設定できるようになります。

全てを満遍なくやれるに越したことはありませんが、あくまで理想は理想。

出来不出来がわかっているにもかかわらず、全てに同じ時間をかけていては非効率的な学習となってしまいます。

大学院入試は期限のある試験です。

その期限までにある程度の水準に到達することが何よりも重要なのです。

そして、大学院の試験において、どれか一科目でも足を引っ張ってしまっては合格することはできません。

全てで合格点を取らなくてはいけないのです(東大では特にその傾向が強いとされます)。

だからこそ、苦手を苦手のままにしておくのは、合格を危ういものにしてしまう1番の原因となってしまいます。

あなたがその大学院の要求から一番隔たりを感じるものを優先的に学習できるようにすることも過去問研究の成果なのです。

大学院入試の時期と相談しつつ対策を練っていきましょう。

POINT

過去問分析をしてみて、自分に一番足りないと感じる科目を重点的に対策しよう。日々の学習に優先順位をつけることが重要

過去問を複数年解いてみよう

ある程度学習が進んできたら、他の年度の過去問を解くと良いでしょう。

ここでは現在行っている学習の進捗がどうかを測ることも主な目的の一つとなります。

解く時期の目安としては学習開始から半年くらいでしょうか。

ここでより詳しい過去問分析も行なっていきます。

ここで重要なのは、複数年分の過去問研究によって、一年だけの過去問研究では気づけないことに気づけるようになるということです。

どういうことでしょうか。

数年に一度は必ず出題されている単語や文法事項があったり、似たような専門知識が出題されていたりします。

これは複数年分の過去問を研究してみないと決してわからない情報です。

したがって、ここでより詳細に行うべき過去問研究とは長期スパンで見たときに、その大学でどのような出題傾向があるかを掴むことにあります。

ではなぜこのようなことが起きるのでしょうか。

それは、大学院で研究するにあたり「最低限こののレベルに達してから入学してきてほしい」という大学院側の基準があるからです。

だからこそ、似たような文法や単語が出題されるのです。

よって、複数年、場合によっては十数年分の過去問研究を行うことによって、志望している大学院がどのくらいの水準を求めているかを知ることができるのです。

POINT

複数年分の過去問を解いてみよう。それによって出題傾向を分析することができ、繰り返し出題されている問題がみえてくる。大学院がどのくらいのレベルを求めているかを知ることが重要。

過去問の解答を作成しよう

過去問を何年分解いたとしても、解きっぱなしではいけません

しかし、大学院の過去問には答えがついていません。

したがって、自力で解答を作り出す必要があります

ここで解答がないからと、そのままにしてはせっかくの過去問分析も無駄になってしまいます。

しっかりと解答をつくることによって、いざ本番で同じような問題がでたときに対応することができるようになるのです。

まずは自分が使っている参考書や辞書を用いて、自分なりに解答を作ってみるのがよいでしょう。

その際、解答作成に使用した参考書のページには付箋をつけておきましょう。

そうすることで、どの文法事項が出題されたかを把握することができるようになります・。

これによって、頻出の文法事項を院試本番直前に再度、復習することができるようになります。

そして、自力で解答を作ることができたら、大学院の先輩や知り合いの大学の先生などに見てもらうといいでしょう。

自分では満点の解答だと思っていても実は間違っていたなんてことはよくあります。

他の人の目を通すことで、少しでも粗をなくすことも重要なことです。

POINT

参考書や辞書などを利用して、過去問の解答を作成しよう。作成したら大学院の先輩や大学の先生に見てもらうこともおすすめ。

他の大学院の問題も解いてみよう

過去問をもうすべて解いてしまったならば、他の大学院の過去問を解いてみましょう

大学受験であれば、大学毎に試験の難易度は変わるでしょうが、ある程度有名な大学院であれば、難易度においてそこまで差があるわけではありません。

他大学の過去問を利用する場合は、自分が受験する研究科と同じ研究科の問題を探してみましょう。

同じようなテーマが扱われる場合が多く、練習にぴったりです。

大学院によってはネットで入試問題を公開しているところもあるので活用しない手はないです。

無論、併願する大学院があるのなら、優先すべきはその過去問となります。

また同じ大学内でも、自分が受験する研究科と近い領域の研究科の過去問もおすすめです。

出題されるテーマが近いことがあり、他大学の過去問をやるよりも有効な場合があります。

自分が受験する研究科の過去問はすぐに終わってしまいがちですから、他大学の過去問は練習量を増やしてくれる格好の材料となります。

大学院の試験になれるために量をこなすことは大事なことなのです。

是非、他の大学院の過去問も視野に入れておきましょう。

最後に、英語であれば以下のように解説が載っている問題集も出版されていますので、活用してみるといいかもしれません。

POINT

演習量を増やすために、他大学の過去問を利用するのもおすすめ。英語であれば、解説付きの問題集も販売されているため利用すると効率的。

過去問は時間をあけて何度も味わうべし

過去問を一回だけで終わりにしてしまうのは非常にもったいないことです。

過去問とは過去に一度は実際に出題された問題です。

実際に出題されたということは、この問題を解けるようになれば「合格する」ということなのです。

たしかに一字一句同じ問題は出題されることはありません。

しかし、大学院入試とは研究をするにあたって到達していてほしいレベルを測ろうとするものです。

したがって、重要な文法事項や単語などは、形を変えて繰り返し出題されるのです。

だからこそ、自分が受ける研究科の過去問で出題された問題は、確実に正解できるようにしっかりと復習することが大事なのです。

過去に出た問題ほど、その大学院の要求が明確に示されているものはありません

時間を置いて、繰り返し過去問を解きなおすことも合格の近道になるのです。

POINT

過去問は時間をおいて繰り返し解きなおすことがおすすめ。重要な文法事項や単語は形を変えて繰り返し出題される傾向にある。

過去問を侮るなかれ

大学院の過去問には解答がないためか、ほとんどの受験生はそこまで力をいれません

なにしろ、卒業論文はそのまま大学院に提出する場合が多く、そのまま卒論の出来が院試に直結しますし、単位を取れないとそもそも院試というスタートラインにたてません。

大学院を受験する人の多くがなかなかに多忙であって、過去問研究に時間を避けない場合がほとんどです。

試験の数日前に1年か2年分解いてみて終わりの人もたくさんいることでしょう。

だからこそ、過去問研究は他の受験生と差が開きやすい部分でもあるのです。

外部から他大に院進する学生は、特に内部進学する学生よりもしっかりと取り組まなければなりません。

なぜなら、内部進学する学生は先輩などから院試の情報を手に入れやすいのですから、それだけで2歩も3歩も院試においては遅れをとっています。

そんな内部生に追いつくために、また他の外部生よりも一歩抜きん出るためには、過去問研究が重要なのです。

過去問を制するものは、院試を制す

過去問を持っていない人は、今すぐに過去問を入手するようにしてください。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

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