記事の内容
- 吉祥寺の名店「武蔵家」さんのらーめんについて
- 実食レポート
家系では珍しい「あごだし」ラーメン
最近のランキングはどうかわかりませんが、私が高校生だった頃、吉祥寺は「住みたい街ランキング1位」の街でした。
そのため、上京してきた友人たちの何人かは吉祥寺に住んでおり、吉祥寺によく遊びに行っては飲んで〆としてラーメンを食べていました。
そんな思い出深い吉祥寺で、私が1、2を争うくらい好んで食べに行っていたラーメン屋さんが今回ご紹介する「吉祥寺 武蔵家」さんです。
どれだけ私が武蔵家さんが好きだったかといえば、かつてわずかな間のみ営業されていた「つけ麺 武蔵家」さんにも足繁く通っていたほどです。
そこで食べることができたえぐみの効いた濃厚な煮干し豚骨つけ麺は本当に絶品でした(すぐに閉店してしまったのが残念……)。
さて、武蔵家さんといえば各地でその名前を目にすることがあるかと思います。
ですが、いわゆる「新中野系」の「たかさご家」を系譜とする「武蔵家」さんとは無関係であり、今回ご紹介する「吉祥寺 武蔵家」さんは2017年に惜しまれつつも閉店してしまった「六角家」さんの系譜に名を連ねるラーメン屋さんです。
そんな家系御三家「六角家」さんの系譜に名を連ねる武蔵家さんですが、他の家系とは一線を画すある特色を持ったラーメン屋さんなのです。
それがなんと家系ラーメンでは珍しい「あごだし」のラーメンを提供している点にあります。
そしてこれが本当に美味しいのです。
したがって、今回は私が学部生の頃から事あるごとに通っていた家系ラーメン「吉祥寺 武蔵家」さんをご紹介したいと思います。
ラーメンを食べながらダイエット
武蔵家さんへの経路
「吉祥寺 武蔵家」さんは吉祥寺駅が最寄り駅であり、吉祥寺には中央線をはじめ、総武線、東西線、井の頭線で訪れることができます。
中央線であれば新宿から快速で15分程度(中央特快は停車しないので注意!)、井の頭線であれば渋谷から急行で20分弱でくることができます。
さて吉祥寺に到着したら公園口(南口)の改札を出てください。
それから斜め右方向にありますエスカレーターないし階段を降りてください。
エスカレーターを降りると丸井吉祥寺店が見えますので、その丸井めがけて真っ直ぐ進み、横断歩道を渡ってください。
なおエスカレーターを降りてすぐにある道は狭い一本道ですが、バスが通りますので横断する際は十分に気をつけてください。
丸井の前まで来たら、その丸井を右手側に曲がり、ドンキホーテの手前にある小道を左に曲がれば、左手側に「吉祥寺 武蔵家」さんがあります。
駅からの所要時間は5分強くらいでしょうか。
あたりには豚骨の匂いが充満しており、これだけで食欲がそそられてきます。
武蔵家さんには専用の駐車場はありません。
周囲には有料の駐車場もありますが休日ですと満車なことも多く、また都内ということで金額も割高です。
来店される際はできるだけ電車を利用することをおすすめします。
店内とオーダーの仕方
武蔵家さんの券売機
テーブル席の調味料
店には夜の8時頃に到着。
店の中はカウンターに数名のお客さんがいらっしゃるだけで比較的空いていました。
引き戸を引いて店内に入ると右手側すぐに券売機があります。
「吉祥寺 武蔵家」さんのラーメンは大きく分けて二種類のラーメンがあります。
一つ目がいわゆる家系の醤油豚骨ラーメン、二つ目が今回ご紹介する「あごだし」を用いた塩豚骨らーめんになります。
この二種類のラーメンにはそれぞれチャーシュー麺があり、またそれぞれ麺量を選ぶことができます。
麺量は全部で4種類で、1/普通盛り、2/中盛り、3/大盛り、4/半ラーメンが用意されています。
加えて、この武蔵家さんの名物と言えるのが「キャベチャー」です。
キャベチャーとはキャベツと細かく切ったチャーシューを麺だれで和えたものです。
これが武蔵家さんで提供されているビールのつまみとしてよく合います。
キャベチャーはキャベツがあったかく茹でたられているものもありますが、武蔵家さんのキャベチャーは冷たく冷やされたものです。
個人的には後者の冷たいキャベチャーが好みであり、コロナ禍以前は武蔵家さんの近くにある井の頭公園で花見をするとき、必ずテイクアウトをして持参していました。
トッピングはといえば、家系のスタンダードである「ホウレンソウ」や「海苔マシ」があり、他に「味玉」、「白髪ネギ」、「チャーシュー」など豊富に提供されています。
これらには「吉祥寺盛り」という安価でお得な全部のせトッピングもあるので、全てのトッピングを試してみたいという方におすすめです。
最近新しく提供されるようになった「辛ネギ」も味変で使うことによりラーメンの印象をガラッと変えてくれます。
ただ結構な辛さがあるので辛いものが苦手な人は注意が必要かもしれません。
他にもライスは100円で食べ放題となります。
以前は50円で食べ放題だったのですが、それでも100円で食べ放題は非常にお得です。
卵かけご飯にすることができる専用の醤油も炊飯ジャーの近くに置かれているため、試してみたい方はライスと一緒に生卵を注文するようにしましょう。
卓上も様々な味変アイテムで賑わっており、家系には必須の「ニンニク」「生姜」「豆板醤」の三種の神器はもちろんのこと、「お酢」に「スリごま」「一味唐辛子」「胡椒」とバリエーション豊かなラインナップです。
「吉祥寺 武蔵家」さんの清潔感のある洋式トイレには、店員さんのおすすめのラーメンの食べ方が紹介されているため、それを参考に卓上調味料を使ってみるのもおすすめです。
さて、「吉祥寺 武蔵家」さんの席はカウンター席が12席、4人がけのテーブル席が1つに2人掛けのテーブル席が1つあります。
テーブル席は比較的空いているときであれば、団体さんや女性のお客さんを優先して案内している印象です。
今回、私は「中盛あご塩ラーメン」と「辛ネギ」「ホウレンソウ」を注文。
妻は「らーめん」に「キャベチャー」を頼んでいました。
食券を買うと店員さんが出てきてくれて食券を受け取ってくれました。
その際、1/「味の濃さ(濃め、普通、うすい)」、2/「麺の硬さ(硬め、普通、やわらかい)」、3/「あぶらの量(多い、普通、少ない、ない)」を聞かれ、私は「硬め」のみ、妻はすべて普通でオーダーしていました。
それからお客さんの数も少なかったことから4人掛けのテーブル席に案内されました。
「中盛あご塩らーめん」と「らーめん」
中盛あご塩らーめん
らーめん
席についてすぐに提供されたのはキャベチャーです。
ニンニクの香ばしい香りとともに麺ダレがよく絡んだキャベチャーは本当に絶品です。
しょっぱめの味付けは確実にお酒に合うようにでしょう。
これだけでビールが何杯も進んでしまうのは間違いなしです。
ラーメンが来る前に食べ切ってしまいそうになりますが、ここはグッと我慢して少しだけキャベチャーを残しておきます。
これは後々キャベチャーを利用するための私なりの工夫なのです。
そうこうしているうちにトッピングのホウレンソウと辛ねぎが到着。
それから続けてオーダーしたラーメンが運ばれてきました。
時間にして5分程度でしょうか。
運ばれてきたラーメンからあごだしの芳醇な香りがしてきます。
まずはいつも通りレンゲでスープを一口。
スープをすすって一番に感じるのは濃厚でクリーミーな豚骨スープに負けないくらいコクのある「あごだし」のパンチ力。
豚骨スープと完全に肩を並べるほどの旨味が炸裂しており、言うなれば両雄が並び立った状態です。
魚介だしを使った際の特有の臭みもなく、雑味のない洗練されたスープで舌が歓喜に包まれます。
麺ダレが醤油でなく塩なのもあごだしの旨味をダイレクトに感じることができる重要なポイントですね。
とにかく豚骨と鶏油があごだしと組み合わさることによって相乗効果を生み、お互いの良さを引き出し合っています。
麺は中太平打ちのもちもち麺。
今回は麺を硬めにしましたが、それでも麺のもちもち感は消えず、さらに弾力感が増します。
麺の風味もよく、スープと絡むのも◎です。
「あご塩らーめん」のデフォルトのトッピングですが、家系の象徴的な野菜であるホウレンソウではなく、白髪ネギと水菜。
これが塩ダレベースの豚骨と非常に合います。
その他にチャーシューと海苔がトッピングされています。
チャーシューは肉感がしっかりとあり、スープの海に沈めることでさらに柔らかくなります。
今回トッピングでホウレンソウと辛ネギを追加しましたが、ほうれん草も組み合わせとして相性抜群です。
辛ネギは先にも書きましたが結構な辛さがありますが、スープに入れると辛味という旨さが一つプラスされ、ワンランク上のラーメンに昇華してくれます。
ですが入れすぎは注意です。
辛くなりすぎるとせっかくのあごだしの風味が少し消えてしまうように感じました。
また辛ネギはチャーシュと和えられており、ラーメンに入れるだけでなくそのまま食べてもおつまみになりそうです。
さて、ラーメンが残り少なくなったらいつも私が終盤にやる食べ方があります。
それが残ったキャベチャーをラーメンの中に入れる食べ方です。
ニンニクをまとったキャベチャーはスープの風味を向上させ、キャベツのシャキシャキ感がラーメンに新たなリズムを与えてくれるのです。
キャベチャーを二度美味しくいただくことができる方法なので、ぜひ試してみてください。
また妻が頼んだラーメンも少し頂きましたが、スタンダードな家系ラーメンで、鶏油と豚骨出汁をキレのいい醤油が引き立ててくれます。
こちらのトッピングはチャーシューの他に海苔が3枚にほうれん草となっています。
ですが、個人的には圧倒的に「あご塩らーめん」が美味しいです。
数多ある家系ラーメンにおいて、あごだしを使う唯一無二の家系ラーメンであり、非常に完成度の高いラーメンと言えます。
是非、「吉祥寺 武蔵家」さんへ訪問した際は「あご塩らーめん」にチャレンジしていただけたらと思います。
ホウレンソウと辛ネギ
キャベチャー(※撮り忘れたため別日に訪問した際に撮影したものです)
もっと詳しく
個人的な評価
ここまで「吉祥寺 武蔵家」さんのレビューをしてまいりました。
思い出のラーメンであり、他に類をみない「あごだし」を使った家系ラーメンは必食です。
さて、私の個人的な評価ですが、あご塩ラーメンは93/100点、ラーメンは82/100点です。
あご塩ラーメンは本当に文句のつけようのない味で、食べ放題ライスをつければそのスープだけでも無限に食べることが可能です。
普通のラーメンに関しては美味しいのですが、遠出してまで食べるほどではないという印象です(あくまでも個人的な見解です)。
吉祥寺で醤油ベースの家系ラーメンを食べるのなら、姉妹店でもある「洞窟家」さんの方が個人的には好みです。
洞窟家さんにも学部生時代、非常にお世話になったのでいずれこのブログでも紹介したいと思います。
ぜひ吉祥寺にいらっしゃった際は、唯一無二の家系らーめんをご賞味いただけたらと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
店名 | 吉祥寺 武蔵家 |
営業時間 | 11:00~25:30 (日曜日のみ〜24:30) ※コロナの影響で営業時間に変更がある場合があります。 |
定休日 | 無休(2022年は年始も休まず営業) |
住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-8-11 弥生ビル 1F |
最寄り駅 | 吉祥寺駅 |
路線 | 中央線・東西線・総武線・井の頭線 |
TEL | 0422-77-0180 |
ホームページ | THEE KICHIJOJI MUSASHIYA |
@吉祥寺武蔵家様 | |
食べログ | https://tabelog.com/tokyo/A1320/A132001/13005872/ |
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