記事の内容
- 大学院入試の心構え
- 大学院入試前日に準備すべきもの・確認すべきもの
- 大学院入試本番の流れ
- 入試本番当日の時間の使い方
二次試験のほとんどが面接
本記事は前回記事(【文系】大学院入試の流れを確認。院試本番前日と当日にやるべきこと【一次試験】)の続きとなります。
多くの大学院入試の場合、一次試験を突破したら二次試験に駒を進めることとなるでしょう。
その場合、二次試験のほとんどが面接になります。
基本的に面接は願書と一緒に提出するか、あるいは一次試験が終わった後に提出する「卒業論文」あるいは「卒業論文に相当する副論文」に基づいて質問がなされます。
そのため、卒業論文ないし副論文の出来が良くないと二次試験で落とされてしまう可能性があります。
その他にも自分が専門としてようとしている分野の文章題が出題されることもあります。
江戸時代が研究対象の場合は「くずし字」だったり、フランス文学が研究対象の場合はフランス語の文章が出題され、それを辞書を使わずにその場で読解するのです。
ここに挙げたのはほんの一例ですが、二次試験の面接はさまざまな形があり、したがって、やはり二次試験でも本番前日や本番前日にそれ相応の準備が必要となるのです。
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二次試験当日の心構え
これまで一次試験合格のために多くの時間を費やし、勉強に励んできたことでしょう。
その弛まぬ努力の結果として二次試験にまで駒を進めることができたのです。
しかしながら、二次試験は一次試験とは異なり試験内容がガラリと変わります。
つまり、一次試験はペーパーテストだったにも関わらず、ほとんどの二次試験が面接という「対人戦」になるのです。
二次試験では実際に先生方と質疑応答という形で言葉を交わし、先生方の質問に臨機応変に対処する必要が出てくるのです。
まして大学院の先生方と自分とでは知識量に雲泥の差があります。
生半可な解答ではすぐに見破られてしまいます。
したがって、二次試験には一次試験とは違った緊張感というものが存在するのです。
多くの受験生はここで気圧されてしまい、うまく応答することができないなど自分の実力を出しきれないことが多々あります。
ですから、二次試験の心構えとしては面接をする先生と自分との知識差があるのは当然であると考え、それでも自分が知っていることや考えていることを誠実に言葉にするよう努力しましょう。
自分の持てる精一杯のことをその場で考え、そのことだけに集中するようにするのです。
もちろん緊張から先生の質問に頭が真っ白になってしまうかもしれません。
ですが、その時は一呼吸おいてもう一度質問を繰り返してもらうようお願いしましょう。
自分の解答がすぐに出てこない時も同じです。
一呼吸おいて自分の頭の中で話す内容を整理してから言葉を紡ぐようにしましょう。
これが二次面接で合格を勝ち取る一番の近道となるのです。
焦って適当な答えを言ってはすぐに先生に見抜かれてしまいます。
焦らなくて良いのです。
自分のペースで、自分の思考、知識をゆっくりと展開するようにしましょう。
POINT
先生と自分の知識量に差があるのは当たり前。質疑応答型の面接では質問に対して一呼吸おき、自分の頭の中で解答を整理してから話すようにしよう。
本番前日にするべきこと
一次試験に関しても前日にすべきことをご紹介しましたが、二次試験も合格するためにはしっかりとした準備が必要となります。
そしてその準備は一次試験の時とは少し違ってきます。
そこで今回も入試本番前日に準備すべきことを列挙していきたいと思います。
ここに挙げられていないものでも、ご自身の必要性に応じで準備するようにしてください。
入試本番前日に準備するべきもの
まずは「入試本番前日に準備しておくべきもの」です。
以下のもので必須と書かれたものは必ず受験会場に持っていくようにしましょう。
その他のものはご自身の必要性に応じて持っていくようにしてください。
前日に準備するべきもの
- 受験票 [必須]
- 筆記用具 [必須]
- 時計 [必須]
- 自分の卒業論文(副論文) [必須]
- 財布 [必須]
- 携帯/スマホ [必須]
- 読書用の本
- ティッシュペーパー
- 羽織れるもの
- 目薬
- 飲み物
- お昼ご飯(ランチ)
二次試験でも「受験票」は必須です。
これがなくては受験することさえできません。
出発前にも受験票を持っているかどうかを確認し、絶対に落とさないようバッグの奥に入れておきましょう。
また「筆記用具」も準備しておくと良いでしょう。
何かをメモするときに使えますし、特に語学が試される試験のときには必須となります。
他にも面接で卒業論文を扱う試験の場合は自分の「論文」も持っていくようにしましょう。
試験で自分の順番を待っている間に、自分の卒業論文を読みながら最終確認をすることができたりしますし、試験本番に持っていくことができたりします。
ですから、自分の論文を一部コピーして試験会場に持っていくようにしましょう。
なお、二次試験も「時計」は必須です。
大学院入試で使う試験会場には時計がないことが多く、時間の管理をするためにも時計を持っていくようにしましょう。
とはいえ、時計自体があまりにも大きかったり、針の音がうるさかったりする場合、他の受験者の迷惑になる可能性があるので持っていくのは腕時計のようなものにするのが吉です。
入試本番前日にするべきこと
続いて「入試本番前日にすべきこと」を列挙していきます。
こちらも一次試験に行うことと地続きですが、それでも多少の違いがあります。
以下に挙げた事項を必ず前日に確認するようにしましょう。
もちろん、ここに挙げられていなくても自分で必要だと感じたことは後悔をなくす意味でも必ず行っておきましょう。
前日にやるべきこと
- 試験会場までのルートを確認する
- 集合場所・試験会場の確認
- 自分の論文を読み直す
- 自分なりに質問を考えてみる
- どうしてそこの大学院に行きたいかという動機の確認
- 自分が研究しようと考えている分野の復習
まず行うことは「試験会場までのルート確認」と「試験会場の場所の確認」です。
試験会場までのルートはできるだけ余裕を持って到着できる時間設定にし、人身事故での遅延などを考えて複数のルートを考えておきましょう。
大学のホームページには大学構内の地図が掲載されているため、必ず前日に試験会場が大体どの辺にあるのかも確認しておくと良いでしょう。
この作業は非常に重要で、二次試験の会場は一次試験と場所が変わっていることも多く、当日に場所がわからなくて迷ってしまう心配がなくなります。
またこれらは試験の形式によって変わりますが、面接で論文の質疑応答がある場合は「自分の論文を読み返しておく」と良いでしょう。
そして読み直す際に自分なりにどの辺が突っ込まれそうかを考えてみましょう。
もちろん、事前に先輩や友人に読んでもらい質問をもらってそこを重点的に考えるなども有効な対策となります。
自分が研究する分野に関係した語学試験が出る場合、語学の復習はもちろん、その研究分野で扱われる単語の定訳を確認しておくようにしましょう。
定訳の方法は外国語文献であれば、重要な概念を日本語邦訳と照らし合わせたり、辞典を参照するなりして確認します。
しっかりと定訳で訳出できることを先生に示すことができれば、研究の基礎ができていると判断されやすく合格に近づきます。
他にもなぜ自分がそこの大学院に行きたいのか(動機)をはっきりと示すことができるようにしておきましょう。
大学院の面接では必ず最初に聞かれ、この解答で躓いてしまうと頭が真っ白になってしまってその後の質疑応答に支障が出る可能性があります。
考えておくべきポイントとしては、1/受験している大学院は他の大学院とどう違うのか、2/その大学院にいる指先生と他の大学院の先生とではどう違うかを説明できるようにしましょう。
二次試験の主なパターン
ここからは入試本番当日について解説をしていきたいと思います。
主に二次試験は二つのパターンに分類することができます。
それが1/「全員集合型」と2/「個別集合型」です。
順番に解説を加えていきたいと思います。
全員集合型
全員集合型の流れ
- 10:00 集合
- 10:00〜12:00 受験番号順に面接
- お昼休憩
- 13:00〜14:30 受験番号順に面接
1/「全員集合型」とは昨今あまりみられなくなってはいますが、最初に全員で試験会場に集合して面接の順番を待つパターンです。
このパターンは人数が少ない場合に散見されます。
ですが、受験人数が多い場合もないわけではありません。
その場合は通例上記のよこうに前半と後半で分けられ、後半組は後半の時間まで別の場所で時間を潰す必要があります。
試験自体は待合場所から受験番号順に面接会場に呼ばれて入っていきます。
他の人は呼ばれるまで待合室で静かに待たなければならないのです。
したがって、その間に気持ちを落ち着ける必要があるため、本だったり、自分が書いた論文だったりを読みながら待つことになります。
個別集合型
個別集合型の流れ
- Aさん 10:00〜10:30
- Bさん 10:00〜11:00
- 自分 11:00〜11:30
- Cさん 11:30〜12:00
近年二次試験でもっと多い形態が2/「個別集合型」です。
これは個々人がそれぞれ決められた試験時間に合わせて面接会場に向かうパターンです。
このパターンの場合、自分の試験時間まで大学構内で待つ必要がなく、自分の試験時間までに到着すれば問題ありません。
大学によって集合時間は指定される場合もありますが、目安としては自分の面接時間の最低でも10〜15分までには到着すると良いでしょう。
なお近年はコロナ対策の一環としてZoomを利用した試験も行われていたりします。
その場合もこのパターンと同じで個々に試験時間が設定されており、その時間に指定されたURLにアクセスする形となります。
とはいえ、いくらZoomで自宅でできるからと言っても遅刻は厳禁です。
試験開始の少なくとも5分前くらいには準備が完了しているようにしましょう。
入試本番当日の時間の使い方
入試本番当日の時間の使い方も重要です。
というのも自分の試験時間までどのように時間を使うかによって、試験本番で自分の実力が発揮できるかどうかが決まってくるのです。
そこでここでは入試本番当日の時間の使い方について解説してみたいと思います。
会場に着いたらトイレの確認
一次試験の時も解説しましたが、二次試験でもトイレの場所確認は重要です。
大学院入試は自分の人生の岐路にあり、なるべく万全の体制で試験に望みたいものです。
そのため、できるだけ試験前に不安要素は取り除いておく必要があります。
腹痛などの不測の事態に対処できるように必ずトイレは確認するようにしましょう。
待ってる間は論文や語学勉強
論文の審査がある場合、試験本番ギリギリまで自分の論文を読み込みましょう。
そして前日にも確認しているのであれば、突っ込まれそうな箇所や説明が足りていなさそうな箇所をもう一度総チェックし、自分の言葉で補う練習をしましょう。
もちろん、試験本番は専門分野のプロが質問をするため、自分が予想したものが出るとは限りませんが、自分でも甘いと思う箇所は突かれる可能性が高いです。
必ず最後の最後まで最終確認をするようにしましょう。
また語学試験がある場合は苦手な単語や定訳のある単語をリスト化し、何度も繰り返し暗記するようにしましょう。
直前にやった内容は結構な確率で記憶に残ります。
少しでも苦手を克服するよう努力し、本番に臨むようにしましょう。
とはいえリラックスも大事
試験本番当日ですから仕方ないことではあるのですが、気を張り詰めすぎるのも逆効果になります。
ですから、ある程度論文や語学の最終確認が終わったらリラックスすることも大事なことです。
自分の好きな音楽を聴いてみたり、気持ちを落ち着けるためにコーヒーを飲んでみたり、または自分の好きな本を読んでみたりしましょう。
これ以外にも自分なりのリラックス方法があれば実践してみるといいでしょう。
ただし周りに迷惑がかかるようなことはやめましょう。
音楽も音漏れをしない音量にし、コーヒーもトイレが近くなったり、気持ち悪くなったりする可能性があるので程々にすることが重要です。
入試本番の注意点
音が鳴りそうなものはすべて電源を切ろう
試験中や待合室で待っている時に音が鳴ってしまった場合、厳重注意を受けて没収されるか最悪退出の可能性があります。
他の受験生にも迷惑がかかりますから、試験開始前に音が鳴りそうなものは電源を切るか、そもそも会場に持ち込まないようにしましょう。
試験前にはトイレに行こう
二次試験で自分の順番がくる前に必ずトイレに行くようにしましょう。
面接が始まってからトイレに行きたくなっても行くことはできません。
試験にできるだけ集中するためにもトイレは試験開始前に済ませておくようにしましょう。
昼ごはんは重くないものを選ぶ
お昼ごはんの後に試験がある場合、昼食は重くないものを選びましょう。
重いものを食べて気持ち悪くなったり、試験中にトイレに行きたくなって集中力を欠いてはせっかく勉強したことが発揮できないまま試験が終わってしまう可能性があります。
できるだけお腹に優しいものを選び、あまり食べすぎないようにしましょう。
また辛いものもお腹が弱い人は厳禁です。
試験が終わってから思いっきり食べるようにしましょう。
できるだけハキハキ話そう
面接で先生は自分が指導するかもしれない学生との相性をみています。
あまりボソボソと自信なさげなところを見せてはあまりいい印象は持てません。
それよりは自分にできる範囲で構いませんので、できるだけハキハキと喋るように心がけましょう。
もちろん、考えて一呼吸置くことは構いません。
ゆっくりでいいですからできるだけ相手に伝わるようなトーンで話すようにしましょう。
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