記事の内容
- フランス語における動詞の活用をなぜ学ばなくてはいけないのか
- フランス語における動詞の活用をどのように学ぶとよいか
フランス語の山場のひとつ
フランス語を始めた人にとってひとつの山場となってくるのが「動詞の活用」です。
以前、英語とフランス語は似ているとお話ししました(参考:第二外国語をどれにするか迷っている方へ。語学の選択において、フランス語を選ぶべき5つの理由)。
これは英語をしっかり学習してきた人でも難所になってきます。
なぜならば、英語には動詞を活用するという考え方がないからです。
したがって、動詞の活用はフランス語に特有というわけではないんですが、フランス語を学習するうえで新たなに取り組まなければならない文法事項ということになるのです。
しかし、この動詞の活用は非常に覚えるづらいのも確かです。
そこで今回は、フランス語における動詞の活用に焦点を絞ってお話ししようと思います。
文法学習の基本については、次の記事(フランス語を勉強したい方へ。フランス語初心者のためのオススメ入門書【社会人・初心者向け】)で解説していますので、こちらも合わせてお読み下さい。
フランス語を学ぶ以上、活用は必須
この活用を覚えることは非常にめんどくさいものです。
しかし、フランス語を学習する以上、避けて通ることができないのも確かです。
なぜなら、動詞を辞書で調べるとき、動詞の原形しか載っておらず、動詞の活用を覚えていないと辞書を引くことさえできないからです。
英語においては、わからない動詞をそのままの形で辞書を引いても、探している単語を見つけることができます。
しかし、フランス語においては活用されて文章の中に登場するため、活用された単語をその動詞の原形に戻して辞書を引く必要があるのです。
また、読解において文法的にも活用は必須です。
難しい一文になってくると主語になりうる名詞が複数存在する場合があります。
その時、動詞の活用の知識を用いて、活用の人称から主語になるべき名詞を判断することがしばしばあるのです。
したがって、動詞の活用はフランス語を扱う以上は、絶対にマスターしておかなければ後々困ってしまうほどの必須事項なのです。
活用を覚える方法
ではそんな必須文法事項である動詞の活用を、どのようにして覚えれば良いのでしょうか?
これまで私の経験を踏まえれば、語尾の変化に注目してパターンに分けることで覚えることができます。
もちろん、個々の努力は必須ですが、無限にあるとさえ思えてしまう動詞の活用を、労力を抑えて学ぶことが可能になるのです。
以下では、具体的に動詞の活用をより簡単に覚える方法をお伝えしようと思います。
動詞の活用は語尾に着目しよう
動詞の活用は基本的に「語尾」に一貫した法則性があります。
たとえば、"aimer"(愛する) を例として挙げてみれば、その活用は、
Tu aimes
Il aime
Nous aimons
Vous aimez
Ils aiment
となります。
形に着目してみると、"aim-"までは形が変わることなく、青色で示したところだけ形が変わっていることがわかります。
もう一例、"rencontrer"(出会う)の活用を見てみましょう。
< "rencontrer" の活用 >
Je rencotre
Tu rencotres
Il rencotre
Nous rencotrons
Vous rencotrez
Ils rencotrent
この "rencontrer" の活用を見てみると、"aimer" と同様に "rencont-" までは形が変わって織らず、青色の箇所、つまり語尾だけ変化していることがわかります。
そして、語尾の活用は "aimer" も "rencontrer" も同じ形になっています。
つまり、活用の語尾には一貫した法則があり、活用の語尾を覚えてしまえば、他の単語に応用することができるのです。
基本的には "aimer" 型
上記の活用が適用できる動詞の活用パターンは、基本的に "aimer" 型(活用パターンA)となります。
もっと言ってしまえば、”-er" で終わる形は、ほとんど "aimer" と同じ活用をします。
フランス語において動詞は、ほとんど ”-er" で終わる形になっていますので、まずはこの "aimer" 型をしっかりとマスターすることが重要になってきます。
しかしながら、後述もしますが、"aller" は "-er" で終わっているのにもかかわらず、特殊な変化をするので注意しましょう。
もう一つの活用語尾
基本的には "-er" で終わる動詞がほとんどなのですが、フランス語にはもう一つ別の活用パターン(活用パターンB)が存在します
もう一つの活用例として、例えば、 "devoir"(〜しなければならない) が挙げられます。
"devoir" の活用は、
< "devoir" の活用 >
Je dois
Tu dois
Il doit
Nous devons
Vous devez
Ils doivent
となります。
つまり、パターンBの基本形は青色の形になるということです。
この活用になるのは、語尾が "-ir" "-oir" "re" で終わる形であることが多いです。
したがって、"-er" 系の動詞群と同様、まずはこの活用語尾(青色の箇所)を覚えるといい訳ですね。
例外はあるが、まずは2パターンを覚えよう
しかし、どの言語にもあるように、フランス語にも活用パターンAと活用パターンBに当てはまらない例外となる活用があります。
それは例えば、 "vouloir" のような活用です。
この単語は一人称単数と二人称単数が Je veux, Tu veux と "s" が "x" に変わります。
他にも "prendre" のような活用も、三人称単数形が Il prend となり、prendtとはならないのです。
また "ouvrir" のように形は "-ir" で終わっていますが、活用が "-er" 型の場合もあります。
さらに、先述した "aller" のように、そもそもこの活用パターンとは異なるパターンになってしまっているものもあるのです
具体的には、être, avoir, faire, aller の4つです。
この4つは個々別々に覚えなくてはなりません。
これ以外に少しこのパターンから逸れてしまうものも幾つかありますが、とはいえ一気にやってしまうと混乱のもとです。
まずは "-er" 型(パターンA)の活用と "-ir" 型(パターンB)の活用の2パターンをしっかりと覚えるようにしましょう。
パターンに分けて覚えよう
ここまで簡単に動詞の覚え方について解説してきました。
動詞の活用を覚えるためには、パターンに分けましょう。
つまり、パターンAとパターンB、そしてその例外に分け、パターンAとBのそれぞれの活用語尾をしっかりと覚えるのです。
活用語尾は動詞の活用の基本形となるため、この活用を軸として例外を覚えていくことが、フランス語の活用を覚える効率をあげてくれるのです。
とはいえ、例外と言ってもそこまで多くはありません。
例外に関してはしっかりと腰を据えて学習を続ければ、最初に感じた煩わしさほどストレスは感じなくなってくるでしょう。
それよりも、今回お話ししたのは直接法現在に限った話であり、これ以外に半過去形や条件法、単純未来などといった活用を覚えなくてはいけないことの方が大変なのです。
しかし、基本は直接法現在のやり方で学習を進めていけば問題ありません。
今回書いたことは活用のほんの触りです。
ですから、次回ご紹介する動詞の活用をまとめたおすすめの参考書を活用していただきたいと思います。
動詞の活用は間違いなくフランス語学習の山場の一つですから、諦めずに頑張って山を登り、頂上に辿りたいていただきたく思います。
ここまでお読みくださりありがとうございました。