記事の内容
- 単位が取れるレポートの書き方(基本編)
- レポートとはなにか
- レポートにはどんな種類があるのか
- レポートの構成の仕方
- レポートを執筆する際の注意点について
レポートの書き方
学期末がやってくると学生たちの悲鳴が至るところから聞こえてきます。
特に大学に入ったばかりの新入生にとって、レポートの書き方など皆目検討もつかないことでしょう。
ですが、レポートは一度書き方を覚えてしまえば割と簡単に制作することができます。
なぜなら、レポートの書式は決まっており、後は要求されていることを一つずつ解決していけばいいだけだからです。
よって今回から、4回に分けて大学のレポートで単位をとるための方法について解説していきたいと思います。
第一回目の今回はレポートの基本ついて書いていこうと思います。
この記事はレポートで単位をとれるだけでなく、GPA(成績)を良くしたい方向けにもなります。
レポートとはなにか
大学の授業によっては筆記試験の代わりにレポートの提出を要求される場合が多々あります。
しかし、大学に入ったばかりの一年生にとって、レポートと言われてもピンとこないことの方が多いでしょう。
ではレポートとはなんでしょうか。
レポートとは簡単に言ってしまえば、先生が出した課題に対する「報告書」を意味します。
重要なことはレポートとは「先生の出した課題」であるということです。
したがって、いくら素晴らしい文章を書いたところで、先生の課題に即したレポートになっていないと単位が来ないことになってしまいます。
この先生が出した課題をクリアして初めて単位をもらうことができるのです。
なので単位がいらない場合を除いて、必ず先生の指示には従うようにしましょう。
レポートの種類
ではレポートにはどのような種類があるのでしょうか。
レポートは大きく分けて4種類に分かれます。
まず出された課題がどの種類のレポートを求めているかをしっかりと見極める必要があります。
報告型
「報告型」とは先生から出された課題に対して文献を精読したり、情報を整理したりして、それらを精確に文章でまとめるレポートのことをいいます。
これにより、先生はその課題に対して、学生がどれだけ精確に内容を把握できているかを測ることができます。
報告型の課題としては大学の授業内容をまとめさせたり、選んだ文献の内容をまとめさせたりするものが多いです。
したがって、学生は課題となったものの事実や理論(=論理)をしっかりと把握する必要が出てきます。
論考型
「論考型」は自分の主張を論理的に展開しつつ、提示するレポートのことを言います。
自分の主張を提示すると言っても、自分の赴くままに自論を展開してはいけません。
その主張を裏付ける客観的なデータだったり、論理的な根拠となる資料や文献などを用いたりして、レポートを書かなければならないのです。
自分の主張がなかったり、客観性に乏しければ単位を取ること自体が難しくなってしまうでしょう。
多くの大学においてレポート試験といえば、この「論考型」がメインとなります。
自由記述型
「自由記述型」とはあるテーマに関して自由に自分の考えを展開させることができるレポートになります。
上の二つに比べて、自由度が高く、自分がどのように感じたかを重視します。
この「自由記述型」は芸術鑑賞など抽象的な題材に対してのレポートであることが多く、自身の発想力や感性が試されます。
ですが、主観的な要素が大きいとはいえ、客観的なデータや文献などで自分の考えをサポートする必要があります。
自分が感じたことをしっかりと論理的な根拠をもって提示することで、より自分が感じたことを精確に伝えることができるようになります。
教場試験型
上記の3つは自宅などでレポートを執筆するタイプの試験ですが、この「教場試験型」とは試験会場でレポートを作成するタイプの試験となります。
この「教場試験型」は持ち込みが可の場合と不可の場合で対策が異なります。
持ち込みが可の場合でも、授業の教科書のみ持ち込み可だったり、授業でまとめたノートのみ持ち込み可だったりとバリエーションがたくさんあります。
また持ち込み不可の場合は、しっかりと準備し、かつ暗記をしなければ単位がこないため、この中では一番の難易度を誇るレポート試験といえるでしょう。
その授業が教場試験かどうかは、シラバスに書いてあることが多いので、必ず確認してから授業をとるようにしましょう。
レポートの構成について
ここまでレポートの種類について書いてきました。
ですが、どのレポートの種類であっても基本的には同じ書き方、同じ論理構成の仕方で答案を作成することができます。
つまり、形式は同じものを用いることができ、内容だけが異なるのです。
したがって、ここではレポートの構成の仕方について解説していきたいと思います。
まず大前提としてレポートの構成要素は3つであり、それぞれ「序論」「本論」「結論」となります。
また序論の前には大学で用意された「表紙」をつけることが多く、またレポートの最後にはそのレポートで使用した「参考文献」を挙げることが一般的になります。
レポートは論理構成が非常に重要になってくるため、この5つを順番に詳しくみていくことにしたいと思います。
表紙
多くの大学ではレポートに表紙をつけるようにと言われることがよくあります。
表紙とは例えば早稲田大学文学部・文化構想学部のように、大学毎に用意してあります(※この表紙は早稲田大学文学部・文化構想学部のみで利用できるものなので必ず自分の大学・学部で使用されている表紙を探して使ってください)。
ですので、もし表紙をつけるようにとの指示があった場合、必ず自分が所属している大学や学部の表紙を探して利用するようにしてください。
さて、大学ごとに多少異なる箇所もあるのですが、この表紙には1/氏名、2/所属学部、3/科目名(履修している授業の名前)、4/その授業を担当している教員名、5/レポートの題目(題名)、6/自分が所属している学部や学科、コースなど、7/学籍番号、8/学年などの記入項目があります。
これらをシラバスなどを参照しつつすべて埋めるようにしましょう。
もし抜けが合った場合、受け取ってもらえない可能性があります。
レポートが完成したからと安心せず、不備がないか入念なチェックを忘れないでください。
表紙は通例、完成したレポートの上をホチキスで止めて提出します。
表紙が不要などの指示がない場合を除いて必ず添付するようにしましょう。
またたとえ表紙の指定がない場合でも、履修している講義名、レポートの題名、提出日、学部・学科など、学年、学籍番号、名前はレポートの一番最初に記載するようにしましょう。
POINT
・表紙は各大学ごとに用意されているので、必ず確認すること。
・表紙の記入欄に抜けがあると受け取ってもらえない可能性があるため、必ずシラバスなどを確認しながら記入しよう。
序論
「序論」はレポートの導入部分にあたります。
序論の構成としては、1/主題(テーマ)設定、2/主題の動機、3/問題提起、4/問題提起の目的の順番で書いていくのがおすすめです。
順番に見ていくことにしましょう。
まず1/レポートで扱おうとしている主題(テーマ)について書きましょう。
主題とは、そのレポートで扱われる対象についてどのような考察をするかを簡潔にまとめたものです。
テーマはレポートの課題と照らし合わせながら、できるだけ具体的に設定すると主張がはっきりしやすくなります。
続いて2/主題の動機について書きましょう。
なぜその主題(テーマ)を扱おうと思ったのか、そしてその主題を扱う理由はなにか。
このような主題の動機や理由を書くことによって、レポートの意図を明確にし、先生に伝わりやすくするのです。
そして3/問題設定ですが、ここでその主題(テーマ)がもっている問題点を提示しましょう。
この問題点について本論では議論を重ねていくことになります。
ここでは過去の研究(=先行研究)や事前の知識を提示し、その問題点の所在を明らかにするのです。
最後の4/問題提起の目的ですが、ここではその問題提起を行うことでどのようなことが考察されるのかを示します。
つまり、問題提起の結果、どのような帰結(=結論)が得られるのかを明示しておくのです。
問題提起に加え、問題提起の目的を提示することにより、レポートの執筆者がどのような立場にたって、どのような点に議論を着地させるかがわかりやすくなり、本論の議論をわかりやすくすることができます。
なお、これら4つの事項を全体の10〜20%の分量で記述するのが一般的とされます。
POINT
・レポートは1/主題設定、2/主題の動機、3/問題設定、4/問題設定の目的の順に構成しよう。
・序論の分量は全体の10〜20%程度が一般的
本論
「本論」はレポートの大部分を占めることになる主要部分です。
ここでは序論で示した主題(テーマ)と問題提起について詳しく論じていきます。
本論の基本的な構成としては、1/自論(=自分の主張)を展開する、2/自論を補強する具体例や資料を提示することになります。
まず「1/自論を展開する」ですが、これは序論で簡潔に示した自分の主張をより詳しく提示します。
そして2/この主張を補強する具体例や資料を提示して自分の主張に客観性をもたせていきます。
ここでいう具体例や資料とは、統計などのデータを示すことであったり、先行研究や文献をあたり自論を補強できそうな文章を引用することになります。
しかしながら、ただ統計のデータや引用をもってくるだけではいけません。
必ず統計や文献を自分なりに解釈し、それがどのような理由で自論を補強するのかを示す必要があるのです。
この工程なしに済ませてしまうと、説得力のあるレポートを書くことができなくなってしまいます。
レポートにおいて、説得力のある論理的な文章を書けるかどうかが重要な点になるのです。
また、この2つに加えて3/自論に対する反論を示す、4/反論に対する自論の優位性を示すことができればさらに説得力のあるレポートにすることができます。
というのも、「3/自論に対する反論」を示すことは、争点となっている問題点に対して他の選択肢を示すことになり、その問題点に関してより広範に精査することを可能にしてくれるのです。
そして「4/反論に対する自論の優位性」を示すことで、広範な精査の結果、それでも自論が「正しい」ないし「優位」であることが示され、自論をより客観的な主張にしてくれるのです。
注意点としてはその反論が争点になっている問題に対するものであるかどうか、またその反論に対して的確な応答ができているかどうかになります。
この2点を意識しつつ、字数との兼ね合いもありますが、この3/と4を是非ご自身のレポートに取り入れてみてください。
本論において、自分の主張を根拠付け、客観的に論じることができていればそのレポートはほとんど成功したといっていいでしょう。
なお本論はレポート全体の60〜80%の分量で記述するのが一般的です。
POINT
・本論の基本構成は2つ。1/自論の展開、2/その自論を補強する具体例や資料、文献の提示。
・加えて3/反論の提示と、4/その反論に対する応答もできるとより内容の密度が上がり評価も高くなる。
・本論は文章全体の60〜80%が目安になる。
結論
「結論」はここまで論じてきたレポートをまとめるパートになります。
このレポートでどのようなことが判ったのか、また自分の主張がどのようなものだったかをまとめていきます。
この辺は繰り返しになってしまうので、なるべく簡潔にまとめるのがコツとなります。
加えて今後の自身の課題であったり、レポートで言及できなかった重要なテーマなどを示すことができればさらにいいレポートになります。
そのレポートを今後学問的にどのように生かしていくかを示すことで、レポートに取り組んだ意義を示すことができるのです。
この結論の執筆でもってレポートはほとんど終了したといえます。
なおこの結論の分量は10〜20%程度が目安になっています。
POINT
・「結論」とはこのレポートによってどのようなことがわかり、自分の主張がどのようなものだったかをまとめるパート。
・今後の課題やこのレポートを今後どう活かすかを書くのがおすすめ。
・分量としては全体の10〜20%で記述するのが一般的。
参考文献
結論の箇所で「ほとんど」終了したといったのは、最後の最後にかならず加えなければならないものがあるからです。
それが「参考文献」になります。
参考文献はレポートで引用した文献や論文、資料などの出典を一覧にしてまとめる作業になります。
この出典がないと、あとで説明するように剽窃・盗用になってしまう可能性が出てきてしまいます。
参考文献の挙げ方はいろいろなパターンがあるのですが、1/著者、2/本のタイトル、3/出版社、4/出版年を明示することが一般的です。
先生が参考文献の載せ方について指定してきた場合は、かならずその指示に従ってください。
これでレポートの執筆はすべて終了となります。
POINT
・参考文献は掲載しないと剽窃・盗用になってしまう可能性があるので必ず載せること。
・掲載の仕方は1/著者名、2/本のタイトル、3/出版社、4/出版年を載せるのが一般的。先生によって指示がある場合は、そのやり方に従うこと。
レポートを執筆する際の注意点
先生の指示には必ず従うこと
ここまで解説してきたことは一般的なレポートに関する内容であり、したがって多くのレポート試験に妥当する方法になっています。
ですが、先生によっては独自のやり方を採用していることがしばしばあります。
その場合、先生が決めたルールはどんなルールよりも優先されます。
それがどんなに特殊なルールであっても、もし先生が決めたルールが守れていないのなら、単位が来なくても文句は言えないのです。
だからこそ、必ずレポート執筆前にシラバスなどでレポートのルールを確認するようにしてください。
剽窃・盗作は絶対禁止
レポートを書く際、大学側から剽窃・盗作について繰り返し注意を受けていることと思います。
ですが残念なことに、何度も注意されている割に事の重大さが判っていない学生が散見されます。
というのも、いろいろな先生方と話をしてみるとレポートの剽窃・盗用をする学生は毎年のように出てきてしまうそうです。
もし剽窃・盗用をしたことが発覚した場合、その学期に取得予定の単位がすべて無効となり、最悪の場合、退学となる可能性があります。
剽窃・盗用とは大学において、最もやってはならないルールの一つと言えるのです。
ところで、剽窃・盗用とは具体的にどのような行為でしょうか。
剽窃・盗用は大きく分けて3つです。
剽窃・盗用にあたる行為
1/論文や書籍、新聞などの文章をそのまま書き写す行為。
2/インターネットで検索した内容をそのままコピーしたり、提出したりする行為。
3/自分以外の人、例えば友人や先輩が書いたレポートをそのまま書き写す行為。
大別してこの3つが剽窃・盗用と呼ばれる行為です。
これに加えて、引用の仕方次第でも剽窃・盗用になってしまうこともあります。
引用における剽窃・盗用も大きく分けて3つ存在します。
引用における剽窃・盗用
a/引用箇所(ページなど)が明確に示されていない。
b/出典が明らかでない。
c/引用符(鉤括弧など)が用いられていない。
以上のように、適切に引用ができていない場合も剽窃・盗用に該当してしまうのです。
とはいえ、どうしてレポートの剽窃・盗用はバレてしまうのでしょうか。
それは大学側には、提出されたレポートが剽窃・盗用したものかどうかを調べることができるシステムを持ってるからなのです。
そのシステムによって、レポートがどれだけの割合でコピー/ペーストされているかをパーセンテージで示すことができ、適切な引用がなされているかを知ることができるのです。
したがって、剽窃・盗用をいくら誤魔化そうとしてもバレてしまう確率が非常に高いのです。
またこのシステムがあるため、文章の末尾を変えて自分が書いたようにみせても先生にはバレてしまいます。
レポートは自分で書くものであり、退学の危険さえも孕む剽窃・盗用は絶対にしないようにしましょう。
次回は文章ルール・書式編を予定
今回はレポートを書く上で非常に基本となるルールをご紹介しました。
このルールをしっかり守ることは単位を取る意味でも大事なことですが、剽窃や盗用などのあらぬ疑いをかけられることから身を守ることにつながるのです。
だからこそ、しっかりと今回説明したルールを確認してレポートに取る組むようにしてください。
また次回はレポートを書く上での書式や文章のルールなどを確認していく予定です(続きの記事はコチラ)。
是非合わせてお読みいただき、みなさんの単位取得の手助けになれば幸いです。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
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