大学院入試 語学

【文系の院試対策】大学院入試で語学は何を選ぶべき?【言語選択】

2022年2月10日

記事の内容

  • 大学院入試における言語試験について
  • 言語選択のポイントを解説
  • 英語を選択しないという「選択可能性」について
  • 大学院入試における語学科目の重要性について

文系の大学院入試の試験科目

大学院入試はもちろんのことですが「試験課題」が出されます。

受験生はこの試験課題で一定の水準に到達していることを示すことで、志望している大学院への進学ができるかどうかが決定するのです。

ところで、この大学院入試で出される試験課題は多くの大学院で共通の課題が出されます。

なぜなら、大学院で課される課題とは研究するにあたって必要とされるものの中から選ばれるからです。

したがって、大学院での研究で必要なものとは何より1/研究対象に関する知識であり、2/自分が取り組む学問領域全体の知識であり、そして3/一次資料や二次文献を読み解く語学力なのです。

だから、1/は「論文」によって論理的な文章で、かつ新たなテーゼを示すことができるかどうかを判断するために、多くの大学では「卒業論文」の提出が求められるのです。

また2/は包括的な視点を持ち研究することができるかどうかを判断するために学問領域「専門知識を問う問題」が用意されます。

最後に、3/は自分が扱う研究対象の一次資料や国内外の先行研究を正確に読み、研究に利用することができるかどうかを判断するために「語学試験」が課されます。

以上から、試験科目は適当に決められたものでは決してなく、大学院に入って研究をしていく上で必須となるスキルが身についているかどうかを判断するために課されるのです。

POINT

ほとんどの大学院では、課される試験内容が類似している。

出題される試験課題とはその人が大学院に入って研究していく自力があるかを判断するために課されるから。

大学院入試における言語選択のポイント

ですから、院試の語学というものはなんとなく決めてしまっては後々大変なことになってしまいます。

多くの人は語学試験で利用する言語を選択するにあたって、自分が扱いたい研究対象に合わせて様々な言語の中から選んで行きます

しかしながら、大学院入試において、もしなんとなく語学選択をしてしまったとしたらどうでしょうか。

正直なことを言えば、院試に合格するため「だけ」ならなんの問題もありません。

合格するだけであれば、自分が一番得意な言語を選択して受験するのが一番の近道になるからです。

ですが、大学院入試は「通過点」であって「ゴール」ではありません

大学院に入って研究できることこそが一番重要なのであって、研究では使わない言語をいくら勉強しても役立つ機会は限られてしまうのです。

もちろん「まずは大学院に入ることが何よりも重要であり、研究に使う使わないは別に自分が得意な言語を選ぶべきだ」「研究で使う言語は大学院に入ってからマスターすればいい」という意見も一理あります。

私自身、その考え方を否定する気は毛頭ありません。

大学院に合格するができなければスタートラインに立つことができないからです。

ですが、大学院に進学したらすぐに研究はスタートするのです。

入学後、ゼミの講読・演習などですぐに使わなければいけないことがほとんどですし、自分が必要な言語を勉強している間いに、自分と同じ対象を研究をしている人で必要な言語をマスターしている人は、どんどんと研究を進めていきます。

また修士過程の期間は基本的には2年と短い期間しかありません

大学院に入ってから語学の勉強をしていては研究が遅れていってしまうのです。

したがって、大学院に入ってからのことを考えるならば、語学学習に時間を割くことができる大学院受験の段階で、研究に必要な語学をマスターしておくことが望ましいと言えるのです。

POINT

大学院に入って研究する際に必要となる言語を大学院入試では選択しよう。

研究で利用する言語を入学後に勉強しようと思ってもゼミの演習などですぐに必要となる場合が多々ある。

外国語選択の戦略

大学院入試における言語選択の基本線はまずもって「英語」になります。

その理由としてはまず単純に、ほとんどの大学院入試で利用することができる言語であり、併願する際に便利だからです。

またほとんどの人が大学受験でも利用しているため、取り組みやすい言語だからというのも大きな理由の一つになります。

何を研究するにしても英語の先行研究をあたるのがスタンダードになるため、英語を選択しておけば多くの人にとって間違いありません。

ですが、大学院によっては英語以外にもう1つ外国語試験を課す場合が多々あります

もう一つの外国語選択は先にもお話したように「自分が研究する対象の言語」を選択するのがベストです。

とはいえ、大学に入学して多くの方は第二外国語を勉強する機会があったと思います。

もちろん、入学当初から大学院に進学しようと思っていない人が大多数でしょうから、その時はなんとなく第二外国語を選択していることでしょう。

しかしながら、なんとなくとはいえ、まがいなりにも一度は単位を取るために勉強をした言語です。

もし大学の第二外国語の授業で選択した言語を利用することができるのであれば、その時学んだ財産を利用することができるのです。

一番いいのは大学院に入ってから研究に使う言語と第二外国語が同じ場合です。

その場合は何も気にすることなく第二外国語で履修している外国語を利用するようにしましょう。

ですが、もし第二外国語と大学院の研究で利用したい言語が異なる場合はどうでしょうか。

もし第二外国語で履修した言語が苦手だったり、第二外国語で卒業に必要な単位を取り終えていたりするならば、研究で使う言語に切り替えて勉強するのがおすすめです。

研究を志す以上、どこかで研究に必要な外国語の勉強は必須ですからこのタイミングで終えてしまうのがベストと言えます。

一方、第二外国語で選択した言語が得意な方は、それが大学院入試で利用できるのであれば試験科目に利用するのも一つの策です。

特に大学院入試まで日がない時はもう他の言語を1から勉強している時間はありません。

この場合は得意不得意関係なく第二外国語で学んだことのある言語を少しでも伸ばしていく方向にシフトしていきましょう。

しかしながら、まだ日程的にも余裕があり、他の言語を勉強する時間がありそうならば、大学院で研究する際に利用する言語を勉強するようにしましょう

スムーズに研究に着手できるようにすることが大学院に入ってから何よりも重要なことだからです。

以上から、基本的に言語選択においては英語を選択し、もう1言語必要であれば自分の研究対象で必要な言語を選択するようにしましょう。

無論、これは時期との兼ね合いもあり、試験日が近いようであれば言語にこだわらず第二外国語で学んだことがある言語を選択するようにするといいでしょう。

POINT

大学院入試では英語を選択するのが王道。

試験で外国語が二つ必要な場合は「自分の研究対象で必要な言語」にしよう。

試験までの期間が短い場合は大学の第二外国語の授業で履修した言語にするのも一つの手。

英語を選択しないという「選択」

先程は基本的には英語を選びましょうというお話をしました。

ですが、今回は英語を大学院入試では利用しないという「選択」についてお話ししたいと思います。

というのも私自身、大学院入試では英語を利用せず、ドイツ語とフランス語を利用して受験したからです。

それは大学院に入ってから研究で使いたいと思ったからというのもあります。

ですが、実はそれだけでなく単純に英語がそれほど得意ではなかったからです。

もちろん、今現在も英語は研究で活用していますし、英語が全く読めないというわけではありません。

ですが、自分の実力ではほとんどの人が勉強している英語では、そこまで差をつけることができないと考えたのです。

それよりも、ほとんどの人が大学に入ってから勉強するであろうドイツ語とフランス語であれば、他の人に遅れを取るどころか逆に差をつけることができると考えたのです。

これが功を奏したのかはわかりませんが、無事志望する大学院に入学することができたのです。

もちろん、これまで一度も勉強したことがない言語を1年で2つマスターするとなると大変な努力が必要になります

語学の試験以外にも大学院入試では論文の提出が求められたり、専門知識が問われる試験が課されたりと様々なことが要求されます。

したがって、大学院に合格するために他にもやるべきことがあるにもかかわらず、多大な労力を払ってまでやることであるかと言われたら、それは No と言わざるを得ないのです。

英語がそこまで得意ではなく、大学院入試まで時間があり、そして両方とも大学院の研究でも役立つ場合、英語以外での受験するようにしましょう。

また余談ですが、英語は先行研究をあたる際のスタンダードですが、その研究分野においてまだ紹介されていない言語の先行研究を見つけることができれば、それだけで論文を書くことができます。

もちろん、これもしっかりと定番の先行研究を抑えた上での話であるため、まずは研究対象に必要な言語の習得が最優先であるのは変わりありません。

POINT

大学院入試で外国語が2つ必要な場合で、英語がそこまで得意で無い場合は英語を選択しないこともアリ。

ただし、これまで学習したことのない言語を1年で2つ習得するには多大な労力が必要。

大学院入試は語学で決まる

ここまで大学院入試における言語選択についてお話ししてまいりました。

なぜ言語選択についてアレコレお話ししているかと言えば、それは語学の出来不出来が大学院合格に直結するとされているからです。

とりわけ東京大学の大学院を目指している人は語学が生死を分けると肝に銘じておくようにしましょう。

というのも、一次試験は語学で足切りされているなんて噂」まであるくらいですから。

したがって、大学院入試に向けて論文の執筆や専門知識の勉強などたくさんやらなければいけないことがありますが、語学は絶対に力をぬかないように心がけましょう。

必ず基礎から勉強を始め、抜けのないように細心の注意を払いながら勉強を進めていきましょう。

当ブログでは大学院入試の他にフランス語やドイツ語、英語などに関して基礎からおすすめの参考書を紹介していますので、是非こちらも参考にしてみてください。

ここまでお読みくださりありがとうございました。

大学院入試で最良の言語選択ができることを心から願っております。

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